京セラは4月12日、「CONTAX」ブランドのデジタル・銀塩カメラの出荷を9月に終了すると発表した。本体、専用レンズ、アクセサリーとも9月末までに出荷を終える(ただし「CONTAX645」と周辺機器のみ12月まで出荷)。サポートは、規定に応じて最長10年まで継続する。
撤退を決めたのは「急激な市場の変化に対応できなかったため」(同社)。同社は3月、デジカメ事業からの全面撤退を明らかにしていた(関連記事参照)。今回の撤退で、中国や南米など一部地域を除き、カメラ事業から全面撤退することになる。
CONTAXは1932年、独Carl Zeiss財団のカメラ子会社Zeiss Ikonから誕生したブランド。ロバート・キャパが欧州戦線で愛用した「Contax II」など、“女性的”とされたLeicaと並ぶ“男性的”なレンジファインダーの名機で知られ、日本光学(現ニコン)のレンジファインダー機「Sシリーズ」はContax互換マウントを採用していた。
第二次大戦後は冷戦のあおりでZeiss Ikonが東西に分裂。西側は1961年にいったん中止していた。1974年、旧ヤシカがCarl Zeissと提携し、ポルシェデザインで知られる一眼レフ「CONTAX RTS」とT*コーティングの交換レンズで復活。1983年にヤシカを吸収合併した京セラが同ブランドを継承した。ボディ内で焦点面を移動させるユニークなAF方式を採用した「CONTAX AX」、レンジファインダーのAFカメラ「CONTAX Gシリーズ」などを生んだ。
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