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ヒネリの効くUSB端子搭載――三洋「ICR-S250RM」レビュー:ビジネスに使えるICレコーダー(2/3 ページ)

» 2005年05月07日 04時04分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 USBインタフェースは、ICR-B80RMなどと同様、背面に“埋まっている”。引き起こすと録音時にスタンドとして使用できる仕組みで、先端のキャップを外すとUSB端子が現れる。しかも、先端が270度回転するため、USBポートが縦に付いているPCにも簡単に接続可能だ。同じくUSBダイレクト接続が可能なオリンパスの「Voice-Trek V-20」と比べると、可動部分が多いぶん、柔軟性が高い。

photo 先端が270度回転する
photo USBポートが縦型だったり、奥まった場所にあったりしても大丈夫。一応USB延長ケーブルも付属している
photo スタンドはの角度は5段階。テーブルの上では30度/60度/90度の角度をつけて設置できるため、話者のほうにしっかりとマイクを向けられる
photo 上のキャップが付属の「USBカバースタンド」。テーブルの上などでも安定する。

128Kbpsの音質

 録音モードは4つあり、そのうち3つがステレオというあたりに同社のコダワリが感じられる。ただし、後発のオリンパス「V-20」に比べると、メモリ容量は同じなのに各モードの録音時間は約半分だ。圧縮効率の差は否めない。

録音モード 録音時間 録音周波数特性 ビットレート
SHQ(ステレオ) 約2時間10分 40Hz-15000Hz 128Kbps
HQ(ステレオ) 約4時間10分 40Hz-7500Hz 64Kbps
SP(ステレオ) 約8時間30分 40-3500Hz 32Kbps
LP(モノラル) 約17時間10分 40-3500Hz 16Kbps

 ビットレートが128kbpsもある(=情報量が多い)「SHQ」モードはさすがに高音質だ。広い会議室、あるいは騒音の多いイベント会場でも、非常に聞き取りやすい録音ファイルができあがる。たとえばイベント会場など、周囲のざわめきまで非常にリアル。それが話者の声を邪魔するわけではなく、しっかりバックグラウンドのまま。つまり“臨場感”を感じる音だ。

photo 録音モードの設定画面。上の「SH」は、現在の設定が「SHQ」であることを示している。ちなみに録音周波数で15000Hzまでカバーする「SHQ」モードは2003年から採用されたもの

 そのほかの3モードも、十分に実用的なレベルだった。ただし、SPステレオ以下は情報量の不足が気になってくるため、録音時の環境を考えて選択するべきだろう。マイクの向きや感度設定(低と高の2種類)を誤ると、録音レベルが低く、聞き取りにくいファイルになってしまう。

 録音時には、インデックス機能が利用できる。重要だと思った箇所でインデックスボタンを押すと、本体再生時に頭出しが行える。また、録音を開始したりするタイマー録再、音声入力が一定レベルを超えると録音を開始する「VAS」(音声起動録音)といった機能も備えた。

 本体再生では、1.2倍速の「早聞き再生」と0.75倍速の「遅聞き再生」のほか、A-B間リピート再生、不要な部分をカットするファイル分割といった機能を利用できる。再生時にインデックスを打てないのが残念だが、基本的な部分は抑えている。

photo インデックス機能も搭載。録音中に重要だと思った場所でマーキングしておくと、本体再生時に頭出しが行える。アルカリ電池1本で約18時間の録音が可能という省電力設計も魅力だ

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