エキサイトは6月6日、チケット直販サイト「エキサイトチケット」をオープンした。ポータルサイトとしては初めて、興行主からチケットを仕入れる直販型を採用。ぴあと提携している「Yahoo!チケット」や、ローソンチケットと提携した「楽天チケット」と異なり、間にプレイガイドを挟まないため、チケットデザインやサービスなどを柔軟に変えられるのが売りだ。
国内チケット市場は年間売り上げが1兆円規模。エキサイトは音楽ダウンロードやBlogサービスなど、同社の他サービスとの連携を強みに今年度中に100万枚、50億円のチケット販売高を目指す。
チケットは、券面に広告やアーティストサイトのURL、アーティストの写真などを印刷できる。QRコードを掲載し、着うたなどのダウンロードサイトに誘導するといったことも可能だ。
音楽データや特典映像などデジタルコンテンツとチケットとのセット販売にも対応した。例えば、映画「リンダリンダリンダ」の試写会チケットは、購入すれば専用URLとIDが表示され、プロモーション動画を見られる。
先行予約は、公演日時を第1希望から第5希望まで選べる。決済はVISA、MasterCardなどクレジットカードと銀行振り込みに対応。2006年からコンビニ決済にも対応する予定だ。イーバンク銀行で換金できる「バリューポイント」がもらえるといった購入者特典も備えた。
ヤマト運輸と提携し、素早く安全に届くという配送システムを確保した。発送状況はユーザー専用ページなどで確認できる。
バナー広告頼みからの脱却が経営課題のエキサイトにとって、音楽関連事業は有望な柱の一つだ。音楽分野ではヤフーと同等の影響力があるという音楽情報サイト「エキサイトミュージック」のユーザーベースを活用し、事業展開を進める。
昨年はポータルとして初めて音楽配信に参入。「チケット事業もエキサイトミュージックユーザーと相性がいい」(山村社長)ため、1年ほど前から参入を検討してきたという。
プレイガイドと提携してチケット販売するという選択肢もあったが「間に他社が入るとそれだけもうけが少なくなる」(山村社長)ため独自参入を決めた。
同社は5年前から浜崎あゆみさんのライブをストリーミング配信するなど、音楽関連の映像・音楽配信には積極的。興行主やアーティストとの関係も深い。さらに今回、興行主と近い関係にある会社と提携することで信頼性を強化し、チケットを安定確保する。
アーティストのネットプロモーションも手伝う。「試聴用音源をエキサイトミュージックに置いたり、Blogや携帯サイトでプロモーションすることも考えられる」(山村社長)。
現在の取り扱いチケットは音楽ライブがメインだが、映画や演劇、スポーツなど多様な公演チケットをそろえたい計画。将来は、携帯サイトからの予約や決済、電話予約、コンビニ決済にも対応していく考えだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR