従来のLIVINGSTATIONでも、その高い映像性能を最大限に生かすべく、外部チューナーを接続して、ハイビジョン映像を楽しんでいたユーザーは多かったことだろう。ニューモデルの「ELS-47S1」「ELS-57S1」では、待望のデジタル放送チューナー内蔵型になり、アンテナを接続するだけで、単体で地上/BSデジタルのハイビジョン映像を鑑賞できるようになった。もちろん、110度CSデジタル放送も受信可能だ。
デジタル放送チューナーを本体に内蔵することで、映像のクオリティアップにもつながる。チューナー部で受信されたデジタルハイビジョン信号は、アナログ伝送を経由することなく、フルデジタル処理で映像回路まで到達可能になった。また、デジタル放送対応にあわせ、映像回路もリファインされている。
従来モデルと同じく、「ELS-47S1」「ELS-57S1」は1280×720ピクセルの高温ポリシリコンTFT液晶パネル(HTPS)を採用。つまり、映像信号は最終的に720p相当で出力される。
デジタルハイビジョンが720pで放送されていれば好都合なのだが、現在の放送ではほぼすべてが1080iだ。そこで、インタレース→プログレッシブ(IP)、および、解像度の変換がともなうわけで、この処理が各社のテレビやプロジェクターの映像を大きく左右しているといっても過言ではない。
「ELS-47S1」「ELS-57S1」では、すべての信号を高画質化(プログレッシブ化)し、その後、720pへと変換している。デジタルハイビジョン信号であれば、1080i→1080p→720pとなるが、この間に「フルデジタル高画質回路」「Color Reality II」といった高画質化デジタル処理を経て、最終的に「10bit液晶ドライバ」でドライブ。また、通常の地上波に関しては、3次元Y/C分離、ゴーストリダクションも施される。
フルデジタル高画質回路には、一般的な「I/P変換」「解像度変換」「3:2プルダウン」といった回路が含まれるが、さらに、この「ELS-47S1」「ELS-57S1」では新たに「3次元エンハンサー」「デジタルノイズリダクション」を搭載。また、Color Reality IIでは、「黒白伸張」「3次元デジタルガンマ」も適用可能だ。
実にさまざまな高画質化処理が施されているわけだが、デジタルハイビジョンやDVDの映像には、色補正やノイズリダクションといった“アナログ放送向けの映像処理”は本来さほど必要ない。特に今回の製品はデジタル放送対応をメインに据えているため、従来の放送方式はおざなりにされても、あまり問題にはならないはずだ。現実に、最近のデジタル放送対応テレビの中には従来の放送方式向けの映像処理回路を省いているケースも多い。
しかし、わざわざこうした処理回路を搭載した同社の姿勢には、“せっかく大画面テレビを購入してもらったのだから、従来のアナログ地上波や外部入力の映像までも、なるべく美しく観てほしい”という配慮が感じられる。
また、この製品では、好みや視聴環境に応じて、最適な映像調整を行えるよう、「ダイナミック」「ナチュラル」「シアター」という3種類のプリセットが映像メニューとして用意されている。
プリセットは、
という内容で、プリセットいずれかの項目を変更いじると、「お好み設定」(1種類のみ)として別途保存される。
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