オンキヨーは6月22日、東都積水と共同でスピーカーキャビネット製作の新技術「AEET(Advanced Extrusion Engineering Technology)」を開発したと発表した。オンキヨーはAEET技術を採用したスピーカーシステムを今年末〜来春にかけて商品化する予定。
従来のスピーカーキャビネットは、音質を重視した「木製キャビネット」と、量産性を重視したABS樹脂などによる「射出成形キャビネット」が中心。木の素材自体は音質面で優れるものの、平板ベースによる箱型デザインが音質面に悪影響を与えるという問題があった。一方「樹脂」は、量産性はあるものの音質素材としての完成度は「木製」に及ばない面があった。
AEET技術は、オンキヨーが持つ音質設計技術と、東都積水の樹脂配合・成形技術という両社の得意分野をいかしたもの。AEETによるキャビネットは、断熱サッシ枠材など精密形状を要求される樹脂製品に利用されてきた「異形押出し成形」を採用。形成素材の樹脂に木粉などの素材を混合することで音質を高めるなど、「木製」と「樹脂」のメリットを両立したスピーカー製作ができるという。
「四角・直線が基本の木製よりも自由度が増し、魅力的なデザインができるようになる。樹脂射出成形では1機種ごとに金型を作る必要があったが、異形押出し成形のAEETキャビネットでは、1つの金型で複数のサイズ(長さ)違いの製品に対応でき、コストダウンにもつながる。また、自然木ではなく余材リサイクルの木粉を混合物として使うので、自然に優しい素材といえる」(同社)
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