台湾地裁は6月30日、P2Pファイル交換ソフトメーカーのEzpeer.comは著作権を侵害していないとの判決を下した。台湾でこの種の判決が下されるのは初めてだ。原告側は控訴を表明している。
この裁判は、音楽・ソフト・映画業界にとっては後退だが、観測筋は、先週米最高裁で判決が下ったMGM対Grokster裁判のように、台湾最高裁にまで至るかもしれない長い戦いの始まりにすぎないとしている。
この2つの裁判には幾つか似た点があり、EzpeerもGroksterも、ユーザーが音楽から映画、ソフトに至るまで何でも交換できるソフトを提供している。Groksterは下級審では勝訴したが、米最高裁はそれを覆した。今はGroksterに対して、ユーザーが同社のソフトを使って行った著作権侵害の責任を問うことができる。
台湾の士林地裁は、台湾の法律ではファイル交換活動を特に禁止あるいは制限しておらず、またEzpeerは著作権保有者の作品の複製、一般への配信を行っていないとの判断を下した。
「今回の判決で、われわれの正当性が実証された」とEzpeerの広報担当ロビン・チェン氏。「音楽・映画業界と協力して、皆がファイル交換から恩恵を受けられる方法を模索したい」
しかし原告の国際レコード産業連盟(IFPI)はこの判決を不服としている。
「われわれは台湾の高裁、さらには最高裁にも上訴する意向だ」とIFPIの台湾事務局長ロビン・リー氏は話している。
Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR