コニカミノルタの「DiMAGE X」といえば最初に「屈曲光学系ズームレンズ」を採用したデジカメ。今ではソニーのTシリーズ系の方が有名になっちゃったが、当時はかなり画期的だったのだ。
そのコニカミノルタが「CCDシフト式手ブレ補正」を開発してハイエンド機「DiMAGE A1」や12倍ズーム機「DiMAGE Z3」に搭載したとき、「あとはDiMAGE X系に手ブレ補正が搭載されたら最高だ」って多くの人が思ったもんである。
でもそれはなかなか実現せず、屈曲光学系のDiMAGE Xシリーズは“薄型コンパクト”、CCDシフト式手ブレ補正搭載機は12倍ズーム機にデジタル一眼レフといった“ハイエンド系”と住み分けられていた。
でもコニカミノルタ社内では当然DiMAGE X系に手ブレ補正を、とがんばってたわけである。そして2005年8月、とうとう両者の技術が融合した「手ブレ補正付屈曲光学系デジカメ」が誕生したのだ。それが「DiMAGE X1」である。
屈曲光学系では(たぶん)初めてで、薄型コンパクト機にジャンルを広げても松下電器産業の「DMC-FX9」に次ぐ手ブレ補正機構の搭載であり、市場へのインパクトはでかい。DiMAGE Xシリーズ自体があまり振るわなかったこともあり、DiMAGE X1にかかる期待もまたでかいってもんだ。
一番気になる手ブレ補正まわりから行こう。コニカミノルタの手ブレ補正といえば、レンズではなくCCDを上下左右に動かすことで手ブレをキャンセルする「CCDシフト式手ブレ補正」だが、DiMAGE X1では新しい補正方式を開発した。CCDのみならず「CCD+レンズユニット」全体を動かして手ブレをキャンセルする「レンズユニットスイング方式」である。これは驚き。レンズユニットはボディの端に縦方向に収納されているのだが、そのユニットを前後に傾けたり左右に微妙に回転させることでブレをキャンセルするのだ。
なぜそんな大がかりな、と思うが、CCDシフト式だとどうしてもシフトさせるためのスペースが必要なのと同時に、レンズのイメージサークルも大きめにとらねばならないため薄型化が難しかったのだ。レンズユニットごとスイングさせる方式の方が薄型化が可能で、屈曲光学系には向いているとコニカミノルタは言う。
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