米MicrosoftとRealNetworksは10月11日、両社のトップが出席してワシントン州シアトルで共同記者会見を開き、RealNetworksが起こしている独禁法訴訟を7億6100万ドルで決着させると発表した。コンシューマー向けの音楽とゲーム提供でも新たな提携を結ぶ。
独禁法関連では4億6000万ドルの支払いにより、各国で争っている独禁法訴訟をすべて和解に持ち込むとともに、欧州連合(EU)と韓国の当局がMicrosoftを調査・摘発している問題でもRealが当局側から手を引く。
和解の一環としてMicrosoftがRealに長期の技術ライセンスを提供、RealはWindows Mediaの重要技術を利用して自社のメディアソフト強化を図る。MicrosoftはコンシューマーがRealのソフトに簡単にアクセスできるようにし、次期OSのWindows Vistaでは、ユーザーがRealのメディアファイルを再生したいのに再生ソフトがインストールされていない場合、Realソフトをダウンロードできるページにユーザーをリダイレクトする。
また、MicrosoftのWindows MediaとRealのHelix Digital Rights Managementシステムの互換性強化でも両社が協力。非Windowsの携帯機器と、Windows Media DRMを使ったPCでのコンテンツ再生をRealが推進できるようにする。
音楽・ゲーム関連ではMicrosoftがRealに現金3億100万ドルを支払うとともに、1年半にわたってサービスを提供し、Realの製品開発、配布、宣伝活動を支援する。
具体的にはMSNのホームページとMSN Music、MSN Search、MSN Messengerで、Realの会員制デジタル音楽サービスRhapsodyの販促に当たる。一方、RealはMSN Searchをサポートする措置を取り、Realの携帯向けサービスRhapsody to GoをWindows Media対応の携帯機器で利用してもらえるよう、両社で宣伝に当たる。
ゲームでもRealが新しい会員制サービスを作成してMSN Gamesで提供し、新型ゲーム機Xbox 360のXbox Live Arcade向けにもRealNetworksのゲームを提供する。
RealNetworksのロブ・グレイザーCEOは「本日、われわれはMicrosoftとの関係において1つの章を閉じ、新しい章を開こうとしている」との談話を発表。Microsoftのビル・ゲイツ会長も「Rhapsodyの会員制音楽サービスをMSNで提供することにより、より優れた体験をユーザーに提供できる」とコメントしている。
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