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幼い頃、記憶を失うブラックアウトという症状に悩まされていたエヴァン(アシュトン・カッチャー)は、精神科医の勧めで治療のために日記をつけ始める。そんなある日、13歳のエヴァンは幼なじみのケイリー(エイミー・スマート)、トミー(ウィリアム・リー・スコット)、レニー(エルデン・ヘンソン)と、とんでもない“いたずら”をしてしまう。しかしその時にも、エヴァンにはブラックアウトが起きていた。この“いたずら”が、後の彼らの人生を決定付けることに。やがて時が経ち、大学生になった20歳のエヴァンは、ブラックアウトの症状もなくなり平穏な日々を過ごしていたが、ふと幼い頃の日記を手に取る。すると突然13歳の“あの時”の記憶が鮮明に蘇る。そして日記を読むと、その時代にタイムスリップすることを発見。やがてケイリーの悲惨な “その後”を知ったエヴァンは、彼女を救おうと、ある行動に出るのだが……。
タイトルの『バタフライ・エフェクト』は、「ある場所で蝶が羽ばたくと、地球の反対側で竜巻が起こる」=初期条件のわずかな違いが、将来の結果に大きな差を生み出す、という意味のカオス理論の1つ。この理論を巧みに取り入れた異色サスペンス。ある忌まわしい事件をきっかけに、初恋の相手が思いも寄らぬ転落人生を歩んだと知り、現在の状況を変えようと何度も過去にさかのぼる男のスリリングな出来事を描く。主演のエヴァンを演じるのは、『12人のパパ』『ジャスト・マリッジ』のアシュトン・カッチャー。どちらかと言うと、女優デミ・ムーアの“年下の彼”として有名だったが(2人は最近ようやく結婚)、本作では脚本に惚れこみ製作総指揮も兼任。その甲斐あってか、全米では初登場第1位を記録し、『マトリックス』を超えるオリジナリティと『シックスセンス』を凌ぐ衝撃と絶賛された。
簡単に言えばタイムスリップものだが、ボタンひとつの掛け違えで、人の人生が180度変わってしまう恐ろしさは実にリアル。今年も『戦国自衛隊1549』や『サマータイムマシン・ブルース』などのタイムスリップ映画が公開され、現在の姿で過去・未来を行き来するというパターンがほとんど。エヴァンの場合は物理的にではなく、思考は20歳で身体は13歳のエヴァン、つまり意識が当時の自分に乗り移るというところがポイント。周囲の人々の人生をも左右するエヴァンの行動は時おり身勝手に感じるが、それもこれも愛する人のためと、なぜか説得力がある作品なのだ。良かれと思って変えた過去が、思わぬ結末をもたらす、予測不能なストーリーは一見の価値あり! 「もしも、あの時こうしていたら…」やり直せない過去のイライラを本作で晴らしてみては!? 「もしも」シリーズの映画として、『スライディング・ドア』『ラン・ローラ・ラン』なんて作品もおススメ。
『バタフライ・エフェクト』2枚組プレミアム・エディションは劇場公開版とは異なるエンディングのディレクターズカット版本編と、インタビュー・メイキングなど貴重な特典映像を収録。
関連サイト:http://www.butterflyeffect.jp/(公式サイト)
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