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コラム
» 2005年10月17日 10時00分 公開

ビデオiPodの登場で変わる「何か」小寺信良(3/4 ページ)

[小寺信良,ITmedia]

新しいポッドキャスト

 その一方で可能性を感じるのは、ビデオポッドキャストだ。すでに非公式ながらエントリーを受け付けてきたビデオポッドキャストだが、今回のiPodで正式にサポートした。

 従来の音声だけであったポッドキャストは、制作するとなるとラジオのDJのようなことをやらねばならず、すなわち自分自身がパフォーマーになる必要があったわけだ。しかし映像作品がポッドキャスティングできるようになれば、自作の映像作品を公開したいアマチュアは多いのではないかと思う。

 もちろん実写映像でもいいだろうし、クレイアニメを作って発表することもできる。実はクレイアニメというのは、今や簡単にできる環境が整っていて、CELSYSの「CLAY TOWN」などは、PCとビデオカメラまたはWEBカメラがあれば、簡単な操作ですぐに始められる。

 実は筆者も以前このソフトを使ってみたことがあるのだが、童心に返って子供と一緒にネンドをこねるのも、非常に楽しいものだ。

 こういうのはある意味クリエイティブな行為だが、音楽をクリエイトするよりも映像をクリエイトするほうが、敷居は低い。音楽の場合、演奏や歌の上手いヘタは重要な要素だが、映像は撮影の上手いヘタはあまり関係ない。面白いアイデア一発、例え作品が5秒でも、十分見られるのである。

 筆者は昔のCGブームの頃に、ビデオポッドキャストのような仕組みがあったら良かっただろうと思う。あの当時は自分で作品を作っても、人に公開する手段がなかった。自分のホームページに載せても、アクセス数などたかがしれている。だがポッドキャストとなれば、それだけで興味を持って見てくれる人も多いだろう。上手く使えば、映像作家の底上げに繋がるかもしれない。

 もう一つ、ビジネスライクな使い方として、コマーシャルの投下ということは考えてもいいだろう。日本でコマーシャルといえば、まるで嫌悪の対象のように受け取られているが、欧米のコマーシャルは1〜2分もある大作で、見応えのある「作品」も少なくない。しかも商品露出は少なめで、ショートムービーのようなストーリー仕立てになっている。こういう広告ならば、わざわざダウンロードしてまでも見たいという心理が働いてもおかしくない。

 広告を能動的に見るという文化を根付かせるためには、日本のコマーシャル制作も、作品として見る価値がある映像を作るほうに舵を取らなければならない。今、民放連では「CMのCMキャンペーン」を打つような不毛なやり方を行なっているが、それでは何にも解決しないことにいい加減気付くべきだ。

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