デジタル一眼レフもいいけど、レンズ一体型で超高性能なモデルでないかなあと思っていた人にとって、「24ミリからの超広角ズームっ」「デジタル一眼レフに迫るでかい撮像素子っ」とくればもうそれだけで嬉しくなるのであるが、同時に「デジタル一眼レフに迫るデカさ重さ」がついてきたのである。
でも大きいだけの性能は持っているからしょうがないかもしれない。ソニーのハイエンド機「DSC-R1」は、まったく新しいタイプの、まさに「レンズ一体型デジタル一眼」と呼ぶにふさわしい面白いデジカメなのだ。
デジタル一眼レフとコンシューマー向けコンパクトデジカメの中間に位置する存在なのでどっちから語るかで話は変わってくるんだけれども、ずらずらと語るより最初に簡単にまとめておいた方がよいかと思う。
◎ APS-Cに迫る撮像素子のサイズ
○ 画像のアスペクト比が3:2
○ 大きな24ミリからの広角系5倍ズームレンズ
○ ボタン+ダイヤル中心の操作系
× 大きくて重い
× 動画が撮れない
◎ 液晶モニターを見ながら撮れる
◎ 液晶モニターが可動式でEVFと使い分けが可能
○ AFがコントラスト検出式
△ レンズ交換はできない
× 連写機能がイマひとつ
こんな感じか。
DSC-R1の一番の特徴はなんといってもレンズと撮像素子にある。
撮像素子はAPS-Cよりちょっと小さい、35ミリ換算で1.7倍くらいのCMOSセンサー。だから1/1.8インチなんていってるコンシューマー向けコンパクトデジカメに比べると何倍もでかい。フォーサーズよりでかい。
それでいて画素数は1000万画素。分かりやすくいえば、ニコンの「D2x」。あれはAPS-Cサイズで1200万画素のCMOSセンサーを搭載しているのだが、あのセンサーの「周辺200万画素分を切り取って残った1000万画素」を想像するといい。APS-Cサイズで1200万画素の中央1000万画素分を切り出せば、だいたいDSC-R1のセンサーになるのだ。画像の縦横比は3:2である。
つまり、DSC-R1の画質は「デジタル一眼レフ」クラスを想定すればいい。感度もボケ味も2/3インチや1/1.8インチクラスのハイエンドコンパクトデジカメ(最近では松下電器産業の「DMC-FZ30」や富士写真フイルムの「FinePix S9000」)とはワンランク上のレベルなのだ。ちなみに面積では2/3インチの約5倍である。
一体型のレンズは24〜120ミリ相当の5倍ズーム。明るさはワイド側でF2.8〜16(テレ側でF4.8〜16)。拡大ボタンを押せば2倍のデジタルズームも可能だ。テレ側がちょっと暗いけれども、24ミリからのズームはとても魅力的だ。もちろんカール・ツァイスのバリオ・ゾナーT*(スター)レンズ。京セラがコンタックス事業から撤退した今、唯一の「T*コーティングレンズを持つデジカメ」といっていい。
ズーミングはもちろんメカニカル式。ズームリングを回すとレンズがぐぐっとせり出てくる。そのさまは「レンズ一体型デジタル一眼」にふさわしい迫力だ。
マクロモード時はセンサー面から35センチ(ワイド端。テレ端では40センチ)である。コンパクトデジカメ風に「レンズ前からの距離」だと、ワイド端で約24センチ、テレ端で約25センチ。一眼レフ用ズームレンズと考えれば普通だが、マクロレンズに交換できないことを考えるともうちょっと寄れたらと思う。
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