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“最適な家電”を推薦してくれるサイト――「教えて! 家電」

» 2005年11月11日 15時29分 公開
[西坂真人,ITmedia]

 ALBERTは11月11日、同社が展開する家電商品選択支援サイト「教えて! 家電」の記者説明会を開催した。

 「教えて! 家電」サイトは、11月4日からスタートした新Webサービス。セールスポイントは「まるで家電量販店にいるかのように、自分にふさわしい家電を選んでくれる」ところだ。

photo 「教えて! 家電」サイトのトップページ画面

 インターネットの普及で、家電製品を選ぶ時に価格比較サイトや家電系ECサイトを利用するケースが増えている。これらのサイトは、すでに購入商品が決まっている時や、商品スペックをよく理解しているユーザーには便利だが、それ以外の多くのユーザーにとっては、数多くの商品の中から自分が欲しいもの、自分に適したものを選び出すというのは非常に困難な作業だった。

 ALBERT社長の上村崇氏は「例えば価格比較サイトでデジカメを購入しようとすると、メーカー名/画素数/光学ズーム値など多くのデータを入力しないと希望の製品にまでたどりつけない。スキルの高いユーザーならいいが、スペックが分からないユーザーはお手上げ。大手価格サイトの資料を見ても、ターゲットは商品リテラシーの高いアーリーアダプター層まで。フォロワー以降のボリュームゾーン向けのサービスがこれまでなかった」と、従来の価格比較サイトの欠点を指摘する。

photo ALBERT社長の上村崇氏

 「教えて! 家電」は、価格比較サイトなどがカバーできなかったフォロワー層以降をターゲットに、商品リテラシーがあまり高くないユーザーでも希望の商品が選べるシステムを導入している。

 この商品選択支援の中心となるのが、統計解析に基づいた独自のリコメンデーションエンジン「「Bull's eye」だ。

 既存のリコメンデーションエンジンには、性別/年齢/職業/趣味関心事などを申告してもらう「アンケートベース」のもの、購買/アクセス履歴で検証されたルールに基づいて商品を推薦する「ルールベース」のもの、そして統計的に分析して瞬時に自動推薦する最新の「リアルタイムリコメンデーション」の3つがある。リアルタイムリコメンデーションには、Amazonに代表される協調フィルタリングや、商品データベースを構築して個別のユーザーのレスポンスをとるコンテンツベースフィルタリングがある。

 今回の「教えて! 家電」に組み込まれたBull's eyeは、リアルタイムリコメンデーションの一種となる。

photo 同社会長の山川義介氏

 同社会長でBull's eyeの開発に携わった山川義介氏は「Bull's eyeは、買いたさとスペックの関係を最適化した独自の商品データベース、評価構造図を元にした購買意志決定モデル、推薦する商品との距離測定方法の3つに大きな特徴がある。ユーザーは簡単なアンケート形式の質問に答えるだけで最適な商品が推薦される。アンケートはクリックと感覚的に答えられるスライダーで答えればいいので、ユーザーがスペックを理解している必要がない」と説明する。

photo 商品リコメンデーションで必要なデータを収集するためのアンケート画面
photo ユーザーはスライダーを動かすだけで“感覚的”に答えられるので、スペックなどの知識は必要ない
photo アンケートに答えると、最適な商品が数機種リストアップされる

 そのほか、家電に関する疑問・質問をネット上で店員(商品に詳しい専門スタッフ)に聞くことができる「質問機能」、購入した商品についてほかのユーザーと写真入りでコミュニケーションをはかれる「フォト掲示板機能」、日本最大級のQ&Aサイト「OKwave」と連携して商品の質問ができる機能などを用意している。

 スタート当初は、「デジカメ」「パソコン」「プリンタ」「薄型テレビ」「洗濯機」の5品目で展開。徐々に商品カテゴリーを増やしていく予定。リアルな店舗とも連携をはかり、設置/セットアップ/使用方法の相談/故障時のヘルプサービス/廃棄/買取といったアフターサービスにも対応できるコンテンツを用意していくという。

 「さらに将来的には、教えて家電のシステムを応用して“教えて保険”“教えてブライダル”などといった展開も計画している。消費者の悩みや嗜好性といった属性情報と購買データを紐付けたデータベースを構築することで、Webパーソナライゼーションの実現を目指す」(上村氏)

 発表会にはデジタルメディア評論家の麻倉怜士氏も応援に駆けつけ、「雑誌などにはない双方向性が実現できるこのような新サービスには大いに期待。今後の家電は、白モノでは付加価値を持つようになり、AV分野ではハイビジョンエンタテインメントが台頭、フルHDのようなハイクオリティコンテンツが主流となり、モバイルで映像を観る文化が急速に普及する。このような商品が出てきた時に、自分に最適なものが簡単に選べる今回のようなサイトが非常に重要になる。期待しています」と、昨今の家電業界の事情とこれからの展望を踏まえた上で「教えて! 家電」にエールを送った。

photo デジタルメディア評論家の麻倉怜士氏も応援に駆けつけた。「教えて! 家電」では、麻倉氏が家電に関するさまざまな情報を紹介する専門コーナーも設置される予定だという

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