SONY BMGのDRM(デジタル権利管理)をめぐる騒動について先日記した際、私は「してはいけないこと」の例として将来のMBA(経営学修士)たちの教科書に取り上げられるだろうと述べた。
しかしSONY BMGが無許可で顧客のコンピュータに行っている行為が、さらに別のDRMシステムでも行われていることが判明した。
私よりもWindowsに精通している(J. アレックス・ハルダーマン氏のような)人々によって、SONY BMGが採用しているもう1つのDRM「SunnCommのMediaMax DRM」が、WindowsはもとよりMacintoshにも自らをインストールすることが発見された。
現在注目されているのは、SONY BMGがPCに組み込んでいるXCP rootkitであり、今回発覚したMediaMax DRMはWindowsの世界ではほとんど注目されていない。
しかしこのDRMは、多くの意味でウイルスのように振る舞う。SONY BMGのDRMを搭載したCDが挿入されると、Windowsの自動起動機能によってPlayDisc.exeと呼ばれるプログラムが立ち上がる。
ここで使用許諾契約(EULA)は表示されるが、MediaMax DRMが必要とするすべてのファイルがハードディスクの「C:\Program Files\Common Files\SunnComm Shared\」に収められる。
これまで分かっている限りでは、EULAに「同意する」のと「拒否する」違いは、同意するとOSを起動するたびにDRMが立ち上がるようになることだという。
EULAに同意しなくても、ハードディスクにインストールされたDRMファイルはそのまま残る。
ウイルス同様、現在これを除去する有効なアンインストーラはない。このDRMを搭載したCDには、「アプリケーションの追加と削除」にSunnCommという項目を追加するものもある。
そこで削除命令が実行されると、共有フォルダ内のほとんどのファイルが削除されるが、コアのコピー保護モジュール(sbcphid.sys)はアクティブかつ常駐の状態が維持される。
これはつまり、(iTunesといった)ほかのプログラムからはSunnCommのコビー防止技術を採用したCDにアクセスできないことを意味する。しかし、これだけではない。SunCommのMediaMaxは、ユーザーがCDを再生するたびに同意を求めることなく「自宅に連絡する」のだ。CDが再生されると、このCDを識別するリクエストとともにIDなどがSunCommサーバに送られる。
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