テキサス州検事当局によりSONY BMG MUSIC ENTERTAINMENTが提訴されて1週間。今度はニューヨーク州のエリオット・スピッツァー検事総長が調査を開始した。
スピッツァー検事総長はSONY BMGがXCPソフトウェアを使っていることについて過去「2、3週間」調査を行っていると、スピッツァー氏の広報担当であるブラッド・マイオニ氏が語った。
最近では、同氏はSONY BMGが52枚のXCP音楽タイトルを音楽販売業者から回収するという約束を守っているかどうかについて、調査員を派遣している。「われわれはこの状況を認識しており、調べている」とマイオニ氏。「まだ商品棚に残っているかどうか、確認しているところだ」(マイオニ氏)
検事当局がSONY BMGに対する法的措置を検討しているかどうかについて、同氏はコメントを拒否した。
テキサス州検事総長のグレッグ・アボット氏は先週、テキサス州が2005年に制定したスパイウェア対策法違反でSONY BMGを提訴した。セリーヌ・ディオンやフランク・シナトラなどのアーティストによる音楽CDにXCPソフトを組み込んで配布したとの理由からだ。
サンフランシスコのデジタル権利擁護団体Electronic Frontier Foundation(EFF)はXCPに関し、カリフォルニア州でSONY BMGを相手取った集団訴訟を起こしている。
XCPはSONY BMGの音楽CDにコピー回数制限を加えるためのソフトで、特殊な「rootkit」クローキング技術を使い、PCの中でその存在を隠す。このソフトの削除は非常に困難だと考えられている。多くの専門家により、このソフトはセキュリティにおける脅威と考えられており、多くのセキュリティベンダーはこれをスパイウェアとして取り扱っている。今月初め、XCPのクローキング機能を悪用し、感染したPCの中で姿を隠す悪質なトロイの木馬ソフトが、ハッカーにより開発された。
このソフトウェアに対する絶え間ない批判に数週間さらされた後、SONY BMGはようやくXCP組み込みCDを回収する計画を発表し、購入者がコピー防止ソフトウェアを搭載していない音楽CDと交換できるようにするためのプログラムを立ち上げた。
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