日本ロボット工業界と日刊工業新聞社の共催による、ロボット展示会「2005 国際ロボット展」が11月30日より東京・有明のビッグサイトで始まった。今回で16回目の開催を数え、これまでの産業用ロボット中心の展示会から、医療や警備、福祉などの分野で人間との共生を目指すロボットやホビーロボット、研究機関で開発中のロボットまでも展示されるロボットの総合展示会へと変貌している。
バンダイロボット研究所が展示しているのは、ホームロボットキット「BN-17」。カメラ/マイク/赤外線などの各種センサーと対応する処理システム(画像認識や音声認識)を備えており、“物に近づく”“壁に沿って移動する”などの行動(タスク)を自らの判断で行えるロボットだ。
さらに、無線LANで接続されたPCを第2の頭脳として利用することで、ロボット本体の小型化と低価格化を進めながら、“壁に沿って移動し、登録された人物が見えたら手を上げる”といった複雑なタスクの実行も可能にした。
その複雑なタスクを実行するため、「もし〜〜ならば、××する」といった命令を組み合わせてロボットへ送信するソフト「タスクエディター」が付属する。デモではスクリプトによる処理が行われていたが、市販時にはタスクを“ブロック”単位にまとめ、ユーザーはブロックを組み立てるような感覚でロボットの行動を組み立てることが可能となる。
展示されているBN-17の形状やカラーリングはあくまでもプロトタイプとしてのものだが、2006年中に10万円を切る価格で市販化される予定となっており、デザインコンセプトは市販製品にも反映される。同社は「2010年までに本物のドラえもんを作る」というプロジェクトを推進しており、「(BN-17も)ドラえもんへとつながる製品として完成度を高めていきたい」(同社)。
同じくバンダイロボット研究所が展示しているのが「kikino」(仮称)。これは音声認識機能を持ち、ユーザーからの呼びかけに応じてテレビやDVDプレーヤー、エアコンなどの家電の操作を行う家電リモコンエージェント。2006年中に3万円台での販売を目指している。
同社が研究を進めている、命令の意味を推測する「チャットコマンド」技術を応用。早期の製品化を目指すために対応する音声命令をリモコンでよく使われる「テレビ」「DVD」「エアコン」などの言葉に絞り込み、日常生活の中で使われることをイメージしている。ボディは一辺10センチ程度のサイコロ状で、赤外線を使って家電機器のコントロールを行う。
自らが操作した家電類の状態を把握する機能を持っており、テレビをつけているにもかかわらず「テレビをつけて」という命令があった場合には「テレビはついているハズですが……」と反応する。また、マクロ機能も備えており、「おはよう」と話しかけると、「明かりを付けて、テレビの電源オン。チャンネルを×チャンネルにセットする」といった操作をさせることもできる。
音声認識にはどうしてもミスがつきものだが、本体には「褒めボタン」と「ダメ出しボタン」を備えており、「上手に認識できたときには褒めボタン」としていくことで、使えば使うほどに音声認識の制度が向上していく仕組みも採用されている。
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