――PC向け有料動画サービスとしてはWindows Media Player 10からも「ShowTime」「BANDAI CHANNEL」「WOWOW NEXT ENTERTAINMENT GENETICS」「スカパー!BB」「PRISMIX.TV」などにアクセスすることができますが、商業的に大きな成功を収めたという話は聞きません。PC向け動画配信サービス普及のために何が必要だと考えていますか?
野中氏: シネマナウとしての考えとしてお話ししますが、普及のためには3つの要素が必要だと考えています。まずはタイトルの充実です。今回ワーナーとの契約が締結されましたが、米国の規模(7000本以上をラインアップし、常時4000本以上が視聴可能)にはまだまだ及びません。同レベルを目指さなくてはいけないと思っています。邦画の充実も行わなくてはなりません。
ふたつめはサイト自身に魅力を持たせること。シネマナウのサイトに来れば映画に関するすべての情報が網羅できるというポータル化が必要だと考えています。具体的にはコミュニティやブログ機能の実装が考えられますね。
最後は将来的な話になりますが、デバイスの進化にあわせた柔軟なサービス提供が必要になると思います。先ほどお話ししたテレビとの連係もそうですが、セットトップボックス向けサービスも視野に入れることが必要だと思います。
――配信形態は視聴期限付きのダウンロード提供ですが、なぜ権利処理が煩雑なダウンロード型としたのでしょうか。ストリーミング型ならばコンテンツ提供も受けやすいように思いますが。
野中氏: 確かに、国内大手ほどコンテンツ提供に慎重で、小規模なところの方が積極的な印象を受けています。しかし、ダウンロード型ならば好きな場所でいつでも、どこでも映画を楽しめます。視聴可能期間内でも、7日に1回(PPVは48時間に1回)は認証を行わないと再生ができませんが、例えば海外出張などへ出かける前にPCへ映画をダウンロードしておけば、機内や投宿先で自由に映画が楽しめます。現在は視聴期限付きですが、視聴期限のつかない完全なダウンロード販売型も計画しています。
「映画を見る」という行為は突き詰めれば、劇場での鑑賞に行き着きます。シネマナウではいかに劇場の環境に近づけるかではなく、その対極にある“手軽さ”を求めていきたいですね。
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