2005年冬、各社のDVDレコーダーはデジタル放送対応が進んだ。もちろんデジタル放送対応のDVDレコーダーは既に市場にあったが、2005年夏の段階で積極展開を行っていたのは日立製作所やシャープといった“デジタル放送先行組”だけ。ここに松下電器産業、パイオニア、東芝、ソニーの4社が参戦し、デジタル放送対応モデルを複数投入し、選択肢が大幅に増えた。単にデジタル放送対応の製品が増加しただけではなく、実売10万円以下で購入できる製品が増加したのも大きなトピックだろう。
DVDレコーダーが登場してからの歴史はそれほど長くはないが、松下、パイオニア、東芝というかつての“3強”、これにソニーをくわえた“4強”は、それぞれはっきりとしたメーカー色を持った製品を送り出してきた。この冬の新製品も、従来製品をベースにデジタル放送対応を果たした形になっていることもあり、着実にメーカー色が残っている。
たとえば、幅広い購買層を意識した松下、AV機器としての本質にこだわるパイオニア、ヘビーユーザーの要望にこたえる東芝、自動録画をさらに強化したソニーといった位置付けだ。パイオニアに関しては新GUIの採用などより使い勝手重視といった方向転換も見られるが、唯一、DVD-R DLメディアにデジタル放送をダビングできる点はやはりコダワリといえる部分だろう。
これら4強メーカーの製品は、基本スペックを見ると似通った形になっている。つまり、3メディア対応のデジタルチューナーと地上波アナログチューナーを搭載し、デジタル放送とアナログ放送の2番組同時録画が可能。ただしMPEG-2エンコーダは1つなので、デジタル放送がTS録画時のみ、2番組を同時に録画できるといった具合だ。
例外は、MPEGエンコーダーを2つ搭載したソニー「RDZ-D90/70」で、デジタル放送と地上波アナログ放送を同時にMPEG-2録画することが可能。さらに地上波アナログチューナーも2つ搭載した東芝「RD-X6」は、地上波アナログ放送の2番組同時録画も可能だ。デジタル放送対応製品はソニー「RDZ-D50」を除くと、いずれも2番組同時録画を1つの特徴としているが、組み合わせが制限されることも多い点には注意してほしい。
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