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いよいよ本格化、デジタル放送対応レコーダー選択のツボバイヤーズガイド(2/3 ページ)

» 2005年12月29日 05時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 ダビングについても、デジタル放送対応に伴って注意が必要になってきた。たとえば高速ダビングが行えるのはMPEG-2録画を行った場合のみ。TS録画した場合には、MPEG-2へのエンコードを行いながらのダビングとなるため、録画時間分の時間がそのまま必要だ。その際、予約録画を並行して実行できない。

 なら、最初からMPEG-2録画しておけばいいじゃないか、ということになるわけだが、MPEG-2録画を行うと2番組同時録画できない製品も多く、何より録画した番組はSDクオリティでしか見られない。つまり、何かを優先するとほかにしわよせがいくのが現状で、何を優先するのかをしっかり見定めてから製品を選択する必要が出てくるのだ。

 ユーザーインタフェース画面を中心に、ソフトウェアにも各社は力を入れている。松下、パイオニア、東芝の3社の製品はハイビジョンテレビとの接続を前提にして電子番組表の一覧性を改善した。この点で遅れをとったのはソニー製品で、デジタル放送でも最大4局同時表示、アナログ放送は従来製品の流用で1列表示と、競合製品に見劣りする。もちろん、使いこなす人間次第ではあるが、独特な「XMB」も合わせ、使い手を選ぶ製品という印象を受けてしまうのが残念だ。これが、2台目、3台目といったユーザー層であれば問題はないだろうが、初めてのDVDレコーダーとしては癖が強すぎるといったところか。

photo ソニーの“スゴ録”フラグシップモデル「RDZ-D90」。お馴染みの「XMB」(クロスメディアバー)による軽快動作は慣れれば快適

 パイオニアはアナログ専用機の「DVR-555H」に続いて新GUIを採用し、東芝はデジタル放送対応製品向けに大幅な改良をくわえた。ソニー製品も「XMB」への統一を図るなど、ここ1年のユーザーインタフェースの改良は著しく、2005年冬の新モデルはこれらの集大成という印象を受ける。

photo 高解像度のデジタルテレビを前提としてGUIに変更をくわえた製品も出てきた。写真はパイオニア「DVR-DT90」のEPG

 中でもスマートに感じるのはパイオニア製品だが、東芝製品も課題であったレスポンスを大きく改善しているし、ソニーの「XMB」の俊敏な動作もデジタルデバイスに慣れた層には魅力だ。松下製品はユーザーインタフェースに大きな改良をくわえてはいないものの、機能がシンプルであるゆえにアラは目立たない。ただし、番組毎レジュームは頑なに採用していないので、この点は賛否両論だろう。

 またパイオニア製品に関しては、せっかく本体側のユーザーインタフェースを刷新したにも関わらず、リモコンのボタン数が多く、雑然とした印象を受ける。ほかの3社がリモコンの操作性改善にも力を入れたのに比べ、少々もったいない。

さらにデジタル放送特化を進めるデジタル先行組

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