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HD DVDとBD、同時に発売することはできない――Paramount次世代DVDへの挑戦(2/3 ページ)

» 2006年02月15日 12時27分 公開
[本田雅一,ITmedia]

 「1つのきっかけとして、PS3の登場が挙げられる。ゲーム機ユーザーは映画をあまり買わないという調査結果もあるが、それでも圧倒的な数が売れれば、それだけでも市場となりうる。春とアナウンスされているPS3だが、われわれは北米での発売は9月以降だと、ゲームパブリッシャーから情報を得ている。同時に今後、マイクロソフトがHD DVDをどのような形で後方支援していくのかも、注意深く観察しているところだ」(レジンスキー氏)

 またカルロス氏は、「われわれが見るところ、HD DVDとBDには、両方とも同じようにチャンスがある。片方のプレーヤーしか持っていないユーザーがParamount作品を欲しいと思ったとき、どちらのプレーヤーを持っていてもソフトが購入できるようにしたい。だから両方サポートするのだ」と付けくわえた。

photo ワールドワイドマーケティング兼開発担当上席副社長のアレックス・カルロス氏

最初の1年で“最低35本”

 各フォーマットのローンチ時期に10タイトルを用意し、「ミッションインポッシブル3」の新作DVD発売に合わせてトリロジーパックをクリスマスシーズンの前に出荷する。Paramountが公式にアナウンスしている情報はこれだけだ。

 これに対してカルロス氏は「最初の12カ月の間に発売する35タイトルが、すでに内部的には決定済みで作業を進めている。しかし実際にはもっと多くなるだろう。35本という数字は最低限のベースとなるもので、市場動向を見ながらここにいろいろな種類のソフトを追加していく。その中にはいくつかの“ビッグタイトル”と呼ばれるものも織り交ぜていくことになる」と応じた。

 Paramountのカタログタイトルといえば、「インディジョーンズ」シリーズがよく知られる製品として存在するが「スピルバーグ作品が投入されるまでには少し時間がかかる。DVDの時も、かなり長い時間がかかった。スピルバーグ氏は“機器が十分に普及してから出す”という考え方なので、次世代光ディスクでも多少の時間が必要だ」と、こちらは期待薄のようだ。

 「しかし、新しい技術に積極的な制作者は少なくない。われわれとしても、人々によく知られたタイトル。たとえば『ゴッドファーザー』シリーズのようにアカデミー賞を受賞した作品などを積極的にフルHDパッケージで体験してもらい、Paramountが持つ豊富な資産をたくさん体験してもらいたいと考えている。ビッグタイトルの話題には事欠かないはず」と、カルロス氏は積極的な作品を次世代光ディスクパッケージで出していくことを明らかにした。

 ただし、両規格に対して同じタイトルを供給はするが、投入時期は異なるという。

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