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冒険心をくすぐるデジ一眼ライブビュー撮影――オリンパス「E-330」レビュー(4/5 ページ)

» 2006年02月17日 16時29分 公開
[永山昌克,ITmedia]

 注文を付けたい点もいくつかある。ひとつは、前述したように露出補正やホワイトバランスの調整がライブビューには反映しないこと。もうひとつは、操作性の細かい部分だ。非常に多機能で使いたい機能がたくさんあるが、E-500に比べてボタンがいくつか省かれたため、目的の機能にスムーズにアクセスできない場合がある。

 具体的にいうと、AFフレームの切り替えボタンと、ワンタッチホワイトバランスのボタンがなくなった。ワンタッチホワイトバランスはドライブボタンに割り当てることもできるが、そうすると今度はドライブモードやプレビュー機能の選択が面倒になる。どの機能を多用するかは人によって異なるが、オートブラケットの設定がメニューの階層内にあるのも、わたしには不満だ。

 もっとも、これ以上ボタンの数を増やすと、さらに取っ付きにくい印象にもなりかねず、判断は難しいところ。多機能を素早く設定するための工夫として、「E-500」から受け継いだ「スーパーコンパネ」機能については評価したい。

 スーパーコンパネでは、液晶上に様々な機能や設定が表示され、カメラの状態をすぐに確認できるだけでなく、メニュー画面を呼び出さずに多機能をダイレクトに切り替えられる。ライブビュー表示の状態でも、OKボタンを押せばスーパーコンパネをオーバーレイ表示できる点もよく考えられている。上で述べたAFフレームやドライブモードの切り替えは、スーパーコンパネからも設定可能だ。

photo ライブビューをオフにすると、液晶には各種の撮影情報が表示される。これを「スーパーコンパネ」と呼び、ライブビューの上に重ねて表示もできる
photo 上部には、外部ストロボ用のホットシュー、モードダイヤル、コントロールダイヤル、露出補正ボタン、シャッターボタンを搭載
photo 光学ファインダーは、ファインダー倍率0.93倍、視野率95%のポロミラーによるファインダーだ。E-500のファインダーに比べると、やや暗くなったが、表示は少し大きくなった。ただそれでも、デジタル一眼レフ機のファインダーとしてはあまり大きいとはいえない

鮮やかな発色と従来より向上した高感度画質

 E-330の撮像素子には、有効750万画素のLiveMOSセンサーを採用する。従来機E-300やE-500の有効800万画素CCDに比べて画素数はやや少ないが、発色はいっそうクリアになり、深みが増した印象だ。

 感度はISO100〜400までを1/3または1EVステップで設定でき、メニューから拡張設定を行えばISO400〜1600も選べる。高感度時の画質は、E-500に比較してさらにノイズが抑えられている。

 ライブビュー以外の撮影機能は、E-500から多くを継承している。連写モードのスピードアップなど、E-500から進化した部分もある。個人的には、昨年末にE-500を購入したばかりであり、E-330のライブビューを楽しめば楽しむほど複雑な心境になる。

 ただE-500とE-330は、ライブビュー以外の性能は似ているとはいえ、位置付けはまったく異なる。伝統的な撮影セオリーでちゃんと撮りたいときにはE-500を、冒険や実験を楽しみたいときはE-330を使うのがいいかもしれない。懐に余裕さえあれば2台目として欲しくなるカメラだ。

photo マクロレンズ「ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro」を装着した状態。ライブビューとバリアングル液晶は、動植物や小物などのマクロ撮影にも最適。作例ページの花の作例ではこのレンズを使用した

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