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コンパクトボディから硬質サウンド――クリエイティブ「TravelDock 900」レビュー小特集:机上のお手軽サウンド強化(2/2 ページ)

» 2006年02月23日 10時52分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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ロックやテクノ、ハードな音楽にマッチした硬質なサウンド

 今回も前回前々回と同様、MP3エンコード(ビットレートは160kbps)した曲を収録したiTunesをライブラリソフトとして音楽をならしてみた。前述したようにACアダプタはオプションのため、乾電池で駆動した。

 トラベルタイプ(しかも乾電池駆動)の小型スピーカーユニットだが、思いのほかしっかりと音が前に出てくるという印象だ。解像感や音圧にはやや欠けるが、くぐもるような感じはなく、シンバルやハイハットのきらめくような高音もきちんと伝わってくる。

photo iBookとの組み合わせ。両方ともホワイト系のボディのため、きれいにまとまる

 ユニット自体が小型なせいで低音の押し出しは弱いが、ドライバがチタン製ということもあって高音のアタック感が強調された、全体的に金属的な硬い感じのサウンドに仕上がっている。向き不向きで言えば、カッティング主体のギターサウンドやテンポの速いテクノ系サウンドにマッチする。中域の伸びが欲しいボーカル主体の曲や、アコースティックの曲はやや苦手といえる。

photo 正面に用意される33ミリのネオチタンドライバ

 本製品のような小型ドライバを搭載したスピーカーの場合、ボリュームを上げたとたんにバランスが破綻することがあるが、そうした挙動も見せない(ただ、高音部のキラキラしたアタック感はより強調されてしまう)。ロックフェスなどに友人たちと泊まりがけで出かける際、持っていくと楽しく使えるだろう。

 試聴を進めるうちに、おもしろいことに気が付いた。試聴前、2つのスピーカーの間は約95ミリほどしかないことから、ステレオ感に乏しいのではと想像していた。確かに、スピーカーの正面に位置しても包み込まれるようなステレオ感を感じることはできないのだが、試聴ポジションをかえてもあまり受ける印象が変わらないのだ。意図的に指向性を弱めたセッティングが施されているようだ。

photo スピーカー間の距離は約95ミリ

 「ステレオサウンドの広がり感を増す」というワイドステレオエフェクトだが、このスイッチを入れると薄くリバーブがかかる。エフェクトは薄目で、劇的な変化がもたらされるというほどではないが、確かに中域に厚みを持たせる効果は感じられる。ただ、あくまでもエフェクトなので、効果は好みが分かれるところだろう。

 本製品の実売価格は約7300円(ITmedia Shopping調べ)。チタン製ドライバに起因する、やや硬質なサウンドは好みが分かれるところかもしれないが、コンパクトで置き場所にも困らず、ノートPCとの組み合わせにも勧められる。旅行用以外にも活用したい製品だ。

photo 同社のTravelSound 400(左)とTravelSound 250。ドライバユニットが本製品と同じ33ミリのチタン製で、音の傾向も非常に似ている。組み合わせるPCやインテリアに応じてチョイスしたい
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