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「みんな」と違う!? ケータイ・デジタルプレーヤーを持つプロフェッサーJOEの「Gadget・ガジェット・がじぇっと」!(2/3 ページ)

» 2006年02月24日 18時39分 公開
[竹村譲,ITmedia]

 日本のテレビゲームの歴史そのものである「ファミリーコンピュータ」のコントローラー部を縮小し、少しデフォルメした「ゲームボーイMicro」は、その外観を見ただけで心躍る30代以降の中年男女は多いだろう。もはや日本国内、いや世界中で広く認知されているプロダクト・デザインの代表だ。

 実際の「ゲームボーイMicro」(ファミコンバージョン)は、オリジナルモデルのファミコン・コントローラー単体よりはるかに小さいが、高級感のあるメタリックな塗装に、ノスタルジックなファミコン・カラーの採用モデルだ。究極の玩具としての洒落たデザインは、「ダサくなる寸前」でストップした親しみやすくクールに偏らないベストデザインの一つだろう。筆者の重いiPodよりはるかに軽い「ゲームボーイMicro」が専用のゲームカートリッジを取り替えるだけで、あっと言う間に「ケータイ・デジタルミュージック・プレーヤー」に変身してしまう。

photo サイズ的にはかなり近いが、圧倒的に軽量な「ゲームボーイMicro」(右)

 「ゲームボーイMicro」用の音楽、映像再生カートリッジである「PLAY-YAN micro」は、ゲームボーイ・アドバンス以降のモデルで共用出来る標準的なゲームカートリッジより少し奥行きが大きく、ゲーム機本体に挿入した状態で、本体から8mmほど溢れ出る。カートリッジ側面には、SDメモリーカード用のスロットがあり、カートリッジ手前にはヘッドフォーン接続の為のミニジャックが用意されている。内部に取り付けられたROMには音楽、映像再生用の専用ソフトウエアが記録されている。既に1GBのSDメモリーカードは6000円近辺で販売されており、一般的には、このSDメモリーカード1枚に200曲以上のデジタルミュージックが記録出来るだろう。

photo 高さが少し大きめのゲームボーイ・アドバンス系カートリッジ(小亀)に孫亀の「SDメモリーカード」を収納して使用する。左端は標準的なゲームボーイ・アドバンスのカートリッジ
photo カートリッジ側面から見たSDメモリーカードの挿入状態。筆者は1GB のSDメモリーカードを使用している。プッシュポップ機能なので出し入れは簡単だ

 「PLAY-YAN micro」は、カートリッジ単体売りと「メディアステージ」と呼ばれる音楽、映像ファイルの再生・変換ソフトウエアとのキット商品の2種類が任天堂のWEBショップからユーザーにダイレクトに提供される。動画ファイル等の「PLAY-YAN micro」で再生を考えているなら、「メディアステージ」は、画像の最適化や変換をオリジナルファイルのメディアステージへのドラッグ・アンド・ドロップだけで簡単に実現してくれる。筆者は、iTunes経由、ポッドキャストで入手した「落語」や「ラジオ放送」なども、「ゲームボーイMicro」+「PLAY-YAN micro」を利用して通勤電車内で楽しんでいる。

photo 何種類か存在するゲームボーイやDSで「PLAY-YAN micro」は互換的に動作する
photo PC上の「MediaStage」で最適化変換した動画はなかなかスムーズに動作する
photo 「MediaStage」はPC上で動作するマルチメディアデータの管理・変換ツールだ

 「価格性能比」以上に「PLAY-YAN micro」の優れている点は、ROM内のアプリケーションと「ゲームボーイMicro」の「十字カーソルキー」や「A」「B」2個の選択ボタンで、実現している秀逸なユーザーインタフェースだろう。アルバムのタイトル選択から、楽曲の選択、次曲の選択、曲飛ばし、逆戻り、またSELECTキー等を利用することで「低音ブースト」などの高機能の調整も実現している。

 エレガントでスムースだがどこかファジーなiPodのスクロール・ホイールに慣らされた指先には、「ゲームボーイMicro」のカチカチと決まる十字カーソルの信じられないほどタイトなコントロール感は時代を超えて心地よいと感じてしまう。オペレーションがアプリケーションと一体となってナチュラルだと、人は両手を必要とするか、片手で出来るかは余り気にならないことが分かるだろう。両手のオペレーションより片手で出来るオペレーションが優秀であるということは必ずしも無いのである。

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