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硬派なスタジオサウンドを机上で再現――BOSE「Micro Music Monitor」レビュー小特集:机上のお手軽サウンド強化(2/2 ページ)

» 2006年02月28日 00時02分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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外観から想像できない“モニターサウンド”

 今回もMP3エンコード(ビットレートは160kbps)した曲を収録したiTunesをライブラリソフトとして音楽をならしてみた。

photo デスクトップ機との組み合わせ

 音を出してみて感じたのは、「ボーズらしい、カッチリしたサウンド」だということ。同社は本製品の発表時に「モニタースピーカー、101MMの音質を超えた」と説明しているが、確かに独自の味をプラスするというよりも、各音の分離をしっかりとさせた、ソースに忠実な再生を行う製品であることを感じさせるサウンドだ。

 あまり極端な指向性は持っておらず、リスニングポイントを変えても極端な音像のブレは感じない。ステレオスピーカーなので、設置時にある程度の間隔を開けたほうがいいのは言うまでもないが、17インチ液晶ディスプレイほどの横幅(40センチ程度)があれば問題ないだろう。

 特徴でもある「ハイパーレゾネーター」による低音再現は見事のひと言。サブウーファーの存在を探してしまうほどの低音再生能力を持っており、ウッドベースやコントラバスなどが出す微妙な低音もしっかりと感じさせる。ただし、キャビネットが小型の影響か、ある程度音量を上げないと効果が薄れてしまう。

 音の広がり方や解像感も十分で高音の伸びもなめらかだが、低音の存在を強く感じさせるので、ハードロックなどにはあまり適しているとはいえない。ベースやバスドラの存在が強すぎるように感じられるのだ。また、意図的に中域に寄せたようなセッティングも施されていない。音楽としてはテクノやフュージョン、ジャズといったジャンルに向く。試聴したソースで言えば、Jazznnovaの「Blue Note Trip」などが気持ちよく聴けた。

 並べて試聴したわけではないので印象による記述で恐縮だが、同社のパーソナルオーディオシステム「Wave Music System」(レビュー)が音楽ジャンルやソースをあまり選ばない、ホームオーディオ的な適したセッティングとなっているに比較すると、明確な方向性の違いを感じる。


 ソースに忠実であるというのは今回の例のように、圧縮音源をメインソースとする場合には善し悪しだ。試しに同じ曲を低ビットレート(MP3 48kbps)、高ビットレート(MP3 320kbps)、CDから直接と3パターンに分けて再生してみたところ、試聴室でもない筆者の自室でもその違いがハッキリと分かってしまった。

 本製品は「Micro Music Monitor」という名称が示すように、小型ながらも“モニター”スピーカーなのだ。それならばソースの音を忠実に再現することも(それが圧縮音源のアラを見つけることになってしまっても)、寝室やリビングに設置されるWave Music Systemと異なるキャラクターを持っていることも納得できる。

 スピーカーとしてのクオリティは非常に高く、PCやデジタルオーディオプレーヤーと組み合わせても十分な能力を発揮するが、ピュアオーディオ用のスピーカーとしても使ってみたい――そんな思いまでも抱かせる製品だ。

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