転送ツールは必要なく、手元にある動画を再生するにはUSB接続したPCからエクスプローラなどでデータを「MOVIE」フォルダにインポートしてやればいい(もちろん、SDメモリーカードにデータコピーした状態で差し込んでもいい)。再生可能な動画ファイルはMPEG-4(ASF)のみで、解像度は640×480もしくは320×240、fpsは最大30fps、ビットレートは3Mbps〜400kbpsに対応。音声はWAV、48KHzもしくは16KHzをサポートする。
PCのHDDにMPEG-4(.ASF)で動画ライブラリを構築する人は少ないと思われるが、パッケージには変換ソフト「Media Converter」が付属しており、MPEG-2を始め、AVIやWMVなどを再生可能な形式(.ASF)に変換できる。ThinkPad G41(Pentium 4 538/メインメモリ512Mバイト)を利用して、手元のテレビ録画したファイルをいくつか変換してみたのが下の表だ。
ファイル形式 | 解像度 | ビットレート | 収録時間 | 変換前ファイルサイズ | 変換後ファイルサイズ | 変換所用時間 |
---|---|---|---|---|---|---|
WMV | 640×480 | 1Mbps | 約29分 | 218Mバイト | 312Mバイト | 約25分 |
MPEG-2 | 720×480 | 1Mbps | 約54分 | 3.89Gバイト | 636Mバイト | 約26分 |
MPEG-2 | 720×480 | 600kbps | 約30分 | 1.27Gバイト | 343Mバイト | 約12分 |
MPEG-2 | 720×480 | 400kbps | 約8分 | 250Mバイト | 95Mバイト | 約3分 |
変換所用時間の項目を見てわかるよう、決して最新型とはいえないPCでもエンコードはかなり高速だ。特にビットレートを落として録画したMPEG-2ファイルは実時間の半分以下でエンコードが終了した。Media Converterは複数のファイルを一括登録しておくこともできるので、就寝前にセットしておくなどすればストレスもたまらないだろう。
Media Converterは標準設定で解像度320×240、ビデオビットレート1Mbps、オーディオビットレート128kbps、29.97FPSの.ASFファイルを生成するようになっているが、各項目はそれぞれ変更できる。セットするSDメモリーカードの容量を考えながら設定を変更するといいだろう。ちなみに、同じMPEG-4系ファイルでもQuickTime Proで作成した.MP4とImage Converter 2 plusで作成した.M4Vはムービービジョン エスに認識されなかった。
メニューからMovieを選択すると、動画ファイルのサムネイルがあらわれるので左右ボタンで選択し、決定ボタンを押すと再生が開始される。本製品は背面にスタンドが設けられているので、それを利用してテーブルに置いてみたが、液晶の画質は良好で、快適な視聴が楽しめた。字幕やキャプションの崩れもほとんど見受けられない。
画面に顔を近づけてみると液晶画面の荒さが気になり、若干ながらもフォーカスが甘い印象も受けるが、視野角も十分に確保されており、机上で楽しむ分にはまったく問題ないレベルといえる。さすがに内蔵スピーカーの音は高品質とは言い難いが、携帯用の一般的な小型テレビ程度のクオリティと考えればいいだろう。
動画再生中に早送りボタンを押すと次のファイルに移動、押し続けると最大8倍速の早送りとなる(早戻しボタンで前のファイルに戻る、早送りボタン押しっぱなしで早戻し)。「設定」ボタンを押すと、ファイル削除を含めた各種操作が行える。
「設定」からはシークバーやバッテリー残量、SDカード/内蔵メモリのどちらか再生しているかなどの情報をオーバーレイ表示させることができるが、再生中にオーバーレイのON/OFFを行うと再生位置が冒頭に戻ってしまう。電源ON/OFFFのレジューム機能は実装しているだけに惜しいところだ。
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