AF駆動には、従来のステッピングモーターよりも高速で静音性に優れたリニアモーターを採用する。高倍率ズーム機としては、まずまずのスピードで作動し、AFの作動音はほとんどしない。AFモードは、1点/高速1点/高速3点/9点/スポットの5方式から選択でき、暗所で自動発光するAF補助光も利用可能だ。
ズーミングの速度はちょっと遅めに感じたが、ズームの作動音は極めて静かだ。動画モードを選ぶと、さらにズームスピードが低速なり、作動音がより小さくなる。これによって、これまでの多くのLUMIXではできなかった、動画撮影中の光学ズームが使用できるようになった。
通常よりも手ブレの危険性が大きい高倍率ズーム機なのに、電子ビューファインダーを搭載しなかったのは、ボディの小型軽量化を優先したためだ。これに電子ビューファインダーを載せてボディが大きくなったら、コンパクトな10倍ズームというそもそものコンセプトが達成できない。
ズームのテレ側で撮る際には、たとえ手ブレ補正機能をオンにしていても、液晶画面が揺れるため、正直言って最初は不安を感じることが多かった。だが、どのくらいのシャッター速度なら手ブレしないかを、自分なりに把握しておけば問題はない。
オプションのワイコンやテレコンには対応しない。初めに釘を刺されたこともあり、そんなマニアックな注文をするつもりはない。どうやら屈曲系と沈胴系を組み合わせたレンズの構造上、これ以上レンズの前玉に負担をかけることはできない、という事情もあるようだ。
レンズキャップは着脱式のものが付属する。下位モデルの光学6倍ズーム機「DMC-LZ5」のように、オートレンズバリア内蔵ではないのがちょっと残念だ。これについては、マニアだけでなく一般ユーザーにも便利なはずなので、今後の要望のひとつとしていっておきたい。
撮影モードは、フルオートに加え、設定が簡素化される「かんたんモード」、18種類のシーンモード、最短5センチのマクロモード、動画モードに対応する。従来の高倍率ズーム機「LUMIX FZ」シリーズとは異なり、マニュアル機能はあまりなく、どちらかといえばオート主体で手軽に扱えるようになっている。
旅行に役立つ機能として、シーンモードの中に「空撮」と「ビーチ」が追加された。「空撮」は、飛行機の窓から風景を撮りやすいように、AFが遠景優先になり、画質のメリハリ感が高まるモード。「ビーチ」は、空や海の青さを際立たせるモードだ。
また、あらかじめ登録された32の時間帯を世界地図から選ぶだけで、旅先の時間をセットできる「ワールドタイム」機能や、設定した出発日を基準にして、再生時にその画像が何日目に撮ったかがすぐに分かる「トラベル日付」機能を新搭載した。
旅とは直接関係ないが、液晶のハイアングルモードは気に入った機能のひとつ。これを選ぶと、液晶のセルに加わる電圧が変更され、下方向からの視野角が広がる。カメラを両手で持ち上げて高い位置から撮る際に重宝する。
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