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旅行に役立つ10倍ズームと小型ボディ――「LUMIX DMC-TZ1」レビュー(3/3 ページ)

» 2006年03月24日 20時00分 公開
[永山昌克,ITmedia]
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新エンジンによって歪みやノイズを低減

 CCDは1/2.5型の総画素数637万画素で、そのうちの1/2.8型相当のエリアを使用し、有効画素数は500万画素となる。処理エンジンは、従来よりも歪曲補正やノイズリダクションなどを強化した「ヴィーナスエンジンIII」を採用。

 レンズ機構が複雑なので、画質に対する影響を心配したが、処理エンジンによる補正の効果もあり、画質は悪くない。ズームのテレ側使用時に目立ちやすい色ズレや歪曲は実用レベルに抑えられている。ただし、強い光が当たった被写体や光源そのものを撮ると、ちょっと滲んだような描写になることがあった。発色は、これまでのLUMIXと同じ傾向で、鮮やかで見栄えのするの色合いだ。高感度時の画質は、まだ100%満足ではないが、従来機よりもレベルアップしている。

 トータルとしては、コンシューマー向けの手軽な高倍率スナップ機としてバランスの取れたモデルだと思う。筆者のような旅オタク兼カメラオタクにとっては、注文を付けたい部分がないわけではない。それでも、欲しい、使ってみたいと思わせる魅力がある。そう感じるのは、デザインや各部の操作感など、製品としての最終的な仕上げがきっちりとしているからだろう。

作例

photo ズームのワイド側で撮影。オートホワイトバランスでは青空がちょっと赤っぽく写る傾向は、これまでのLUMIXにも見られた
photo ズームのテレ側で撮影。今回の作例では使っていないが、「ナチュラル/標準/ヴィヴィッド」の3つを選べる画質調整機能や、「クール/ウォーム/白黒/セピア」を選べるカラーエフェクト機能もある
photo 同じくズームのテレ側で撮影。肉眼では見えないものまで、くっきりと記録できる
photo 上のカットと同じ位置から、画素数を300万画素相当に切り替えて撮影。ズームレバーの位置は同じだが、自動的に「EX光学ズーム」が機能し、光学12.5倍相当まで画面が拡大する
photo フルオートの撮影だが、青空がこってりとした色で再現された。細部の解像感は、スナップデジカメとして十分なレベル
photo 遠近感を圧縮した構図で撮れるのは高倍率ズーム機の強みのひとつ。ハイライト部などに、色の滲みが多少見られる
photo 発色は、彩度を適度に強調した見栄え重視の傾向。オレンジや黄色、緑が鮮やかな色合いとなった
photophotophoto
photophotophoto 上段左から順にISO 80、100、200、400、800(以上すべてプログラムAE)。シーンモードの「高感度」では、最大ISO1600まで自動アップする。最後のカット(下段右)はISO1250となった。プログラムAEモードのISO800とは異なり、画素混合による高感度であり、L判までの印刷を前提したモード。細部の再現性は大きく低下するが、ノイズレスで色鮮やかだ
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