スマホアプリ市場の独占是正を目的としたスマートフォンソフトウェア競争促進法(スマホ新法)がきょう(12月18日)施行となる。これに伴い、米Appleと米Googleは開発者に課す手数料などを一部変更。それぞれどのような改定がなされたか比較する。
スマホ新法は、サードパーティー製アプリストア・課金システムの開放、Webブラウザや検索エンジンの選択画面表示などを義務化する規制だ。実質的にAppleとGoogleを狙い撃ちした規制で、2社のプラットフォームが影響を受ける。これにより、例えばアプリ内アイテムなどの購入に当たり、開発者がサードパーティーの決済サービスを利用したり、ユーザーをアプリ内から自社Webサイトなど外部に誘導し、より少ない手数料で決済したりしてもらうことも可能になる。
すでに一部ゲームアプリなどではアプリ外でアイテム・コンテンツを購入できる仕組みを導入し、ストア側の規制を回避する動きも見られるが、アプリ内からの誘導が可能になることで、開発者がさらに利益を上げやすくなったり、ユーザーがより安くアプリやそのコンテンツに課金しやすくなったりすることが期待されている。一方、サードパーティー製アプリストアの開放によるセキュリティリスクも懸念されている。
App Storeを提供するAppleはこれまで、App Store内での決済を開発者に強いており、その上で原則30%の手数料を課していた。今後はこれを26%に減らす。
開発者は新たにサードパーティー製の決済システムを利用したり、ユーザーをApp Store外に誘導して決済させたりすることも可能に。Appleは前者の場合21%、後者の場合15%の手数料を課す。どのケースも、小規模事業者向けのプログラムなどに参加している開発者を対象に、手数料を10〜15%に下げる場合もある。
手数料として売上の5%を支払う条件付きで、App Store外でのアプリ提供も解禁する。
GoogleもApp Storeと同様、Google Play内での決済を開発者に強いており、原則30%の手数料を課していた。Appleと違い、こちらは基本的な手数料を変更しない。
外部に誘導しないサードパーティー製の決済システムについては以前から認めており、従来と同様26%の手数料で提供する。ただし、これまで開放していなかったゲームアプリでも利用可能にする。
ユーザーを外部に誘導しての決済は新たに解禁し、原則20%の手数料を課す。ただし開発者の年間総収入が100万ドル以内などの場合は10%とする。ストア外でのアプリ提供は以前から認めており、新たな手数料は設定しない。
2社はこの他、スマホ新法の施行に伴い、スマートフォンの起動時にブラウザや検索エンジンの選択画面「チョイススクリーン」を表示する機能などを順次追加している。OSにiOSを搭載する場合は「iOS 26.2」搭載端末で、Androidの場合は「Android 15」搭載端末で提供する。
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