スマホアプリ市場の独占是正を目的としたスマートフォンソフトウェア競争促進法(スマホ新法)がきょう(12月18日)施行される。すでに米AppleのiOSではブラウザや検索エンジンの選択画面などが追加されたが、米GoogleのAndroidやアプリストア「Google Play」の仕様はどう変わるのか。15日の説明会ではGoogleとその日本法人から概観が示された。
スマホ新法は、サードパーティー製アプリストア・課金システムの開放、Webブラウザや検索エンジンの選択画面表示などを義務化する規制だ。実質的に米Appleや米Googleを狙い撃ちした規制で、2社のプラットフォームが影響を受ける。これにより、例えばアプリ内アイテムなどの購入に当たり、開発者がユーザーをアプリ内から自社Webサイトなどに誘導し、より少ない手数料で決済してもらうことも可能になる。
すでに一部ゲームアプリなどではアプリ外でアイテム・コンテンツを購入できる仕組みを導入し、ストア側の規制を回避する動きもみられるが、アプリ内からの誘導が可能になることで、開発者がさらに利益を上げやすくなったり、ユーザーがより安くアプリやそのコンテンツに課金しやすくなったりすることが期待されている。一方、サードパーティー製アプリストアの開放によるセキュリティリスクも懸念されている。
Googleは説明会で、新たにアプリ内から外部Webサイトへの誘導を可能にする参加型プログラムを提供する方針を示した。18日から参加を受け付け、登録者には実装用のAPIも提供する。プログラムの参加自体は無料だが、利用には手数料がかかるという。
誘導に手数料が課されるとなると、期待されている開発者の手数料負担軽減などに影響する可能性もある。ただし手数料などプログラムの詳細については説明会では解説されず、施行当日の18日午前5時以降に公式ブログなどでアナウンスされる見込みだ。説明会では、記者から手数料を課す根拠を問う質問もあったが、同社は「公正取引委員会のルールやガイドラインではフィーを求めることは可能となっている」と答えた。
その他、AndroidやGoogle Playの仕様変更は大きく分けて2点。1つはAndroidの仕様変更で、iOS同様にブラウザや検索エンジンの選択画面「チョイススクリーン」を追加する。スマホの初回セットアップ時、デフォルトで使用する検索エンジンやブラウザを選ぶ画面が現れる。ブラウザや検索エンジンは5つずつ表示され、順番はランダムという。施行に先んじ、OSにAndroid 15以上を搭載するスマートフォンを対象に2日から段階的に展開している。
2つ目はゲーム開発者向けの機能追加だ。ゲームアプリを対象に、アプリ内コンテンツの購入時などに、ユーザーに対して外部に遷移しないサードパーティーの決済サービスを提示できるようにする。日本では2022年以降、ゲーム以外のアプリを対象に提供していたが、スマホ新法を機に対象を拡大する。
Google、韓国で代替アプリ内課金システム提示を可能に 「反Google法」成立を受け
iPhoneの子ども向けフィルタリングが効かなくなる? 「スマホ新法」の意外な盲点とは
Google、欧州のAndroidユーザーにWebブラウザと検索エンジン選択の自由を明示へ
DuckDuckGo、WebブラウザがMicrosoftのトラッキングだけ許していたことについて説明
iOS 26.2配信、デフォルトブラウザをSafari以外からも選べるように 「スマホ新法」対応でCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR