「これまでは“容量のBlu-ray Disc、安価なHD DVD”と言われることが多かったが、大切なのは適切な容量のディスクを、確実に提供すること。わたしたちは既に30Gバイトのディスクを製造可能であり、将来的には60Gバイトまで対応できる」
「放送の高精細化が進んでいることもあり、今後、長時間録画やタイムシフト視聴には内蔵したHDD、保存用には光ディスクと使い分けが進むはず。わたしたちならば、保存用として、HD DVD-Rのような安価なメディアを提供できる」
「容量にしても、HD DVDはDVDと同じ工程で30Gバイトの2層ディスクを作れる。Blu-ray Discの50Gバイトディスクはまだ登場していないのだから、Blu-ray Discの1層ディスク(25Gバイト)とHD DVDの2層ディスク(30Gバイト)を比べて欲しい。それに、Blu-ray Discは多層化が容易だというが、そんなことはない。HD DVDの方が容易に多層化できると知って欲しい」
矢継ぎ早にHD DVDの優位性を強調する藤井氏。BDサイドがメリットに挙げるいくつかの事項について、HD DVDサイドからの反論を述べていく。
(1): BDは保護層が0.1ミリなので多層化しやすい。
――そんなことはない。50Gバイトの製品すらまだ登場していない。BD陣営は明確に50Gバイト(2層)の製品がいつ登場するのか説明する責任があるはずだ。HD DVDは保護層0.6ミリと既存DVDと同じ構造だが、30Gバイト(2層)を実現した。技術面から言っても、我々の方が最新技術を満載している。
(2): 最新のハードコード(表面硬化処理)を導入している
――技術は素晴らしいと思うが、HD DVDには必要ないものだ。
(3): BDならば1080pが出力できる。
――これはメディアの問題ではなく、テレビ側の問題。ディスクをゲーム機に利用するなら意味があるかもしれないが、画質的としては何も変わらない。
(4): BD-Javaの方がiHDより優れている
――その根拠がわからない。iHDには絶対の自信を持っているし、PCとの親和性も高い。
(5): BD+はより強固なセキュリティを実現する
――AACSに比べ、何がよいのか私には分からない。コンテンツベンダーと話しても、BD+を評価するところは少ない。AACSの方がベターだと考える。
大きな自信を示す藤井氏だが、当面は買い控えもあるだろうと予測する。「買い控えが起こるは当然だが、大画面テレビを見ていれば高精細なコンテンツが必ず見たくなるはず。東芝としても積極的なマーケティング活動を行う。BD側がどのような製品を出してくるかにもよるが、リリースされるタイトル次第ではユーザーを引き込めると思う」
「2008年に行われる北京五輪は大きな目標。それまでには買いやすい価格のプレーヤーを用意したいし、レコーダーも現在のDVD/HDDレコーダーと同価格帯で出せればいいと考えている。そのころにはテラクラスのHDDを搭載した製品など、バラエティに富んだ製品構成を用意したい」
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