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“薫りたつ空気感”を伝える、パイオニアのフルHD 50V型プラズマ(1/2 ページ)

» 2006年04月19日 18時59分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 パイオニアは4月19日、“ピュアビジョン”の新製品として、50V型では世界初となるフルHDプラズマディスプレイ「PDP-5000EX」と、プラズマテレビ「PDP-507HX」(50V型)、「PDP-427HX」(42V型)を6月上旬より販売開始すると発表した。価格はPDP-5000EXが105万円、PDP-507HXが60万円、PDP-427HXが48万円。

photo フルHDプラズマモニター「PDP-5000EX」

 また、フロントスピーカー内蔵ラック「B-07」とB-07専用オプションのホームシアターシステム(センタースピーカー/ワイヤレスリアスピーカー/アンプ内蔵サブウーファー/セパレートディスプレイのセット)「HTP-07」も同時に販売する。価格はB-07が11万8000円、HTP-07が6万5000円。

「薫りたつ空気感と饒舌な色」を再現する50V型フルHDプラズマ「PDP-5000EX」

 PDP-5000EXは50V型として世界初(同社)という、フルHD解像度(1920×1080)のパネルを搭載したモニタータイプ(テレビチューナー非搭載)のプラズマディスプレイ。

 フルHD対応のプラズマテレビでは、松下電器産業が昨年8月に65V型の「TH-65PX500」を発表している。だが、一般家庭の普及サイズである50インチ前後でのプラズマテレビのフルHD化は、非常に難しいとされていた。

 50V型フルHDプラズマ「PDP-5000EX」に搭載されているパネルを、同サイズの従来モデル(PDP-506HD)のパネル(1280×768ピクセル)と比較すると、画素数は約2倍になるが画素自体の面積は約半分となり、そのままでは輝度の低下や放電遅れなどを招きかねない。

 新製品では「高純度クリスタル層」を搭載したプラズマパネル「P.U.R.E. Black Panel」を導入することで、フルHD化にともなう問題を解決。「高純度クリスタル層」自体は、2005年夏モデルから採用されたテクノロジーだが、発光効率を向上させて小さな画素でも十分な輝度を確保し、放電速度の向上や放電安定化にも貢献する同技術が、“50V型でのフルHD化”にも生かされたカタチだ。

 さらに新製品では、蛍光体の改良や専用フィルターを採用することで、NTSC比107%という高い色域再現能力も実現。フィルターは「ダイレクトカラーフィルター」をフルHD解像度用に最適化、フィルターとパネルの間で発生する多重反射が原因となるフォーカスの甘さを改善した。

photophoto 高純度クリスタル層の効果(左)、業界最高水準の色再現性を実現したという(右)

 駆動回路は「P.U.R.E. DriveII」。映像の特徴を自動的に検出してダイナミックレンジや輝度ピーク、暗部グラデーションなどを最適化する「アクティブDRE(ダイナミック・レンジ・パンダー)や、階調表現を自動調整する「フレックスCLEAR駆動法」、デジタルノイズリダクションの「MPEG-NR」といった機能を搭載する。

 テレビチューナーは内蔵しないが、入力インタフェースとしてHDMI×2、DVI×1のほか、コンポーネント、S端子、コンポジットの合計6系統を装備。デジタル入力は1080p 60/50/24ヘルツ入力まで可能で、24ヘルツ入力の場合には10ビット処理にも対応する。サイズは1282(幅)×750.5(高さ)×98(奥行き)ミリ、39.8キロ。

 同社では、テレビの購入者が既存テレビの置き換えとして購入する層と、ホームシアターなどで積極的に映像を楽しむ層に二分化されていると分析。PDP-5000EXをテレビの受像器としてだけではなく、高画質・大画面でコンテンツを楽しむ製品として訴求する考え。

photo PDP-5000EXと同社が北米で販売を予定しているBlu-ray Disc プレーヤーの組み合わせ

 「PDP-5000EXは、自発光であるプラズマの優位性を最大限にいかした“フルHDのリファレンスモデル”として投入する。“薫りたつ空気感と饒舌な色”を再現する製品だ」(同社執行役員 ホームエンターテイメントビジネスグループ本部長 安田信治氏)

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