東京でも人気路線として知られる東急沿線でケーブルテレビを展開しているイッツ・コミュニケーションズ。同社は4月中旬、神奈川県内に基盤を置くYOUテレビ、横浜ケーブルビジョン、横浜テレビ局と共同で、HDD内蔵のセットトップボックス「HitPot」(ヒットポット)を展開すると発表した。4社は、HitPotを共通ブランドとして位置付け、実際には松下電器産業製の「TZ-DCH2000」を採用する。HitPot導入の背景と展開の見通しについて、イッツコムのカスタマー営業本部長を務める渡辺功常務に話を聞いた。
――今回の発表は、4社共同という形で行われました。その経緯を教えてください。
「この4社はサービスエリアが近いこともあり、以前から定期的に集まって業情報交換や問題提起を行っている、いわば“ご近所の情報交換会”なんです。今でも毎月1回程度は集まる機会を設け、番組の共同制作など日常的にサービスの連携を図っています」
「HDD内蔵のSTBは、録画という点でユーザーの利便性を向上させるものですから、できれば馴染みの良い言葉で浸透させたい、ということで一致しました。そこで“HitPot”という愛称を付け、4社協同で展開することになったのです」
――HitPotとは、どのような意味でしょう。
「Hivision(ハイビジョン録画)、i.Link(によるライブラリ化)、Twinチューナー(2番組録画対応)という頭文字を合わせて“Hit”。そしてハードディスクは“何でも入るバケツのようなもの”と捉え、“HitPot”という名称になりました」
「今回は松下電器産業のTZ-DCH2000を採用していますが、HitPotは同製品に限りません。われわれとしては、単なるSTBの機能を超え、CATVの放送サービスにリンクしたものだと考えています」
――6月のサッカーW杯を目標に導入を進めると聞いていますが、具体的なスケジュールを教えて下さい。
「現在は、最終的な詰めの作業を行っているところです。5月の中旬頃には発表できると考えています」
「実は、3月下旬に多チャンネル放送サービスのユーザーを対象として、HDD内蔵STBに関するアンケートを実施しました。これは仮申し込み以前の段階――導入意向を訊ねるといった主旨だったのですが、千数百通もの回答があり、HDD内蔵STBに対する期待の高さを感じました」
「そうした経緯もあるので、導入にあたっては、まず導入の意向を示した既存ユーザーにお知らせして、その後で広告活動を行う方針です。松下電器産業は5月下旬にTZ-DCH2000の出荷する予定ですから、W杯までには導入を始めることができます。ただ、ロケットスタートは難しいでしょうね」
――それは何故ですか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR