ITmedia NEWS >
コラム
» 2006年03月30日 02時24分 公開

“HDD内蔵”はデジタルCATVの救世主になるか?コラム(1/2 ページ)

今月、ヒューマックスと松下電器産業から相次いでHDD内蔵のCATV STB(セットトップボックス)が登場した。デジタルCATVは「録画環境に恵まれてない」という評価を過去のものにできるのだろうか? “HDD内蔵”の意味を考えてみた。

[芹澤隆徳,ITmedia]

 こと録画という点において、デジタルCATVユーザーは不遇だった。デジタル放送対応のDVDレコーダーなどが便利な機能をどんどん追加しているのに対し、使い勝手の面で大きく引き離されている。外部接続のセットトップボックスが必須という視聴スタイルは、自ずと録画機との距離を遠くするのかもしれない。

 非CATVユーザーのために現状を説明しておこう。デジタルCATVでハイビジョン録画する場合、i.Link(MPEG-2 TS)でレコーダーと接続することになるが、まずMPEG-2 TS対応のi.Linkを備えた録画機が少ない。D-VHSデッキか、「Rec-POT」のようなHDD単体製品が中心になる。

 一方、S端子などのアナログインタフェースを利用する場合、1) STBとレコーダーの両方で録画予約する、2) 赤外線リモコン信号を利用した「Ir連携」、3) STBからの映像入力を検知して録画を開始する「入力信号連動録画」などの方法が考えられる。ただし、基本的に外部入力接続なので録画データに番組情報が反映されないうえ、「入力信号連動」では録画待ちの時間にレコーダーを使用できないといった問題も生じる(機種による)。Ir連携にしても、たとえば松下電器製のSTBでは同社製もしくはパイオニア製のレコーダーしかサポートしていない。そんな訳で、CATVユーザーはそれぞれに工夫しながら、録画機とSTBの連携を図っているのだ。

 わが家の場合、i.Linkを装備するパイオニア「DVR-720H」をハイビジョン録画用に、またインターネット経由で専門チャンネルの番組情報を取得できる東芝「RD-X4」をアナログ接続用に使用している。しかし、DVR-720HのTS録画はGUIの動作が非常に重く(これはSTB側の性能による部分も大きい)、アナログ接続ではレコーダーとSTBの両方で録画予約することになる。ときどき、スカパー!ユーザーが羨ましくなったりもするが、わが家は北向きなのでパラボラアンテナが立てられないのだ。

 しかし、長く辛い日々(?)は終わりを迎えようとしている。今月に入り、韓国ヒューマックスと松下電器産業がHDD内蔵のCATV STB(セットトップボックス)を相次いで発表。いずれも250GバイトのHDDを搭載し、デジタルCATVを含むデジタル放送のTS録画に対応した。地上デジタルハイビジョンなら約23時間、SD画質では約69時間の録画が可能だ。そして録画予約は、異なる放送波のチャンネルを一覧できる“シームレスEPG”。もう2つのEPGを操作する必要はない。

photo 「HDR」ことヒューマックスの「JC5000」
photo 「JC5000」のEPG

 ヒューマックスの「JC5000」は、J:COMが採用し、関東エリアの系列局では3月15日に受付を開始した。5月までには札幌・関西・九州の各エリアに拡大し、6月のサッカー・ワールドカップまでには全エリアで使用できるようにする方針だという。

 一方、松下の「TZ-DCH2000」については、イッツ・コミュニケーションズやケーブルウエスト(大阪セントラルOCCN)、ユーテレビなどが採用を検討中。個人的な事情も手伝ってイッツコムに新STBの提供時期を問い合わせてみたところ、やはり「6月のサッカー・ワールドカップに間に合うよう取り組んでいる」という。ワールドカップが待ち遠しい。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.