ロボット掃除機「ルンバ」で知られる米iRobotは12月14日(現地時間)、米国連邦破産法第11条(チャプター11)の適用をデラウェア州連邦裁判所に申請したと発表した。同日、製造パートナーであり主な債権者でもある中国のShenzhen PICEA RoboticsおよびSantrum Hong Kongとの間で、再建支援契約(RSA)を締結した。PiceaがiRobotの全株式を取得し、同社を完全子会社化する形で再建を図る。2026年2月までの破産手続き完了を見込む。
同社は今後、上場廃止する見通し。製品の出荷やカスタマーサポート、アプリの提供などは通常通り継続するとしており、顧客・パートナーへの影響は限定的とみられる。
iRobotのCEOゲイリー・コーエン氏は発表について「iRobotの長期的な未来を確保するための重要な節目だ。この取引により、当社の財務状況が強化され、消費者、顧客、そしてパートナーへの継続的なサービス提供が可能になる」とコメントを寄せている。
Piceaは中国とベトナムに研究開発・製造拠点を持つロボットメーカーで、これまでに2000万台超のロボット掃除機を製造・販売している。
iRobotは1990年に創業。2002年にルンバを発売し、世界で5000万台以上のロボットを販売してきたが、近年は中国メーカーの台頭などを受け収益が悪化。2022年には米Amazonによる買収が発表されたが、規制当局の承認が得られず、2024年に破談となった。その後、従業員の3割を解雇している。
今年3月には、年次報告書(Form 10-K)に「負債を返済する他の手段が見つからないと、12カ月以上事業を継続できない可能性がある」とする、いわゆるGC注記(going concern:企業の継続性についての注意書き)を発していた。
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