EPGは5チャンネル、3時間表示固定のラテ欄タイプで、フォーカスしている番組が拡大表示されるのが特徴だ。フォントサイズはハイビジョン対応テレビとの接続を前提にしており、番組あたりの情報量も十分確保されている。スクロールの度に全情報を書き直してしまうタイプで少々緩慢な印象を受けるが、チャンネルアップダウンボタンでページスクロールできること、左右のスクロールはエンドレス(右端から左端、左端から右端に移動)なタイプであり、操作性がカバーする。
EPGからの録画予約は、録画モードしか変更できなかった2005年秋冬モデルと異なり、チャンネル以外は全て変更が可能になった。従って毎日、毎週といった繰り返し予約も録画予約一覧からいちいち修正を行う手間がなくなったわけだ。録画予約画面に切り替わった直後はフォーカスが「予約する」に移動しているので、とくに変更が必要ない場合には余計な手間が掛かるわけではない。改善された、といっても良い部分だろう。
先に地上波アナログ放送はEPG非サポート、「ミルかも予約」も削除されたことには触れたが、地上波デジタル放送の予約を地上波アナログ放送の録画に修正することはできる。一度予約してしまえば、修正でチャンネルの変更もできるからだ。多用する人はいないと思うが、どうしてもコピーワンスが嫌、という場合には使えるだろう。
本製品では従来製品の特徴的機能であった「TSX」と呼ぶ録画モードは廃止された。「TSX」とはTSモードとXPモードで1つの番組を同時録画しておき、視聴時には画質劣化のないTSモードの録画データを、ダビング時にはXPモードで録画したデータを使い高速ダビングを実現する機能。HDDの消費量が大きいという難点を除けばなかなか便利な機能だった。従って「何故?」と筆者も最初は思ったくらいだ。
「TSX」モードは廃止されたが、代わりに録画予約はより柔軟に行えるようになった。簡単にいえば、1つの番組に対してレコーダー1、レコーダー2でそれぞれ個別にEPGから録画予約ができるようになったからだ。2004年秋冬モデルでも不可能ではなかったが、EPGからの録画予約は1つの番組に対して1つという制約があり、例えばEPGでレコーダー1で録画予約を行うと、同じ番組をレコーダー2で録画予約する場合手動で録画予約する必要があったのだ。
本製品では1つの番組をレコーダー2で「TS録画」、レコーダー1で「SPモードでMPEG2録画」といった予約もEPGから簡単に行えるようになり、片方はハイビジョンでの視聴用、片方はDVDへの高速ダビング用といった録画予約が簡単に行える。この方法ならTSXモードと異なりMPEG-2録画の録画モードも任意に設定できるし、DVDへダビングを行ってもHDD内にはTS録画を残しておくことができる。
つまり、同じ番組を「TS録画」+「TS録画」で録画し、片方をチャプタ設定、部分消去を行って不要部分を消去したのち、DVDへ最善のビットレート(レート変換のFRモード)でダビングするといった作業も容易だ。本製品の場合、レート変換ダビング(等速ダビング)中でもレコーダー2での予約録画行えるので、有効に活用できるだろう。デジタル放送のコピーワンスという(ユーザーにとって)凶悪な制限の中で、デジタルダブルチューナーのメリットをフル活用できる姿になったといえる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR