ニコンのカメラ、月の裏側へ 「アルテミスII」のオリオン宇宙船を支える2台の「D5」と「Z9」
連日、注目を集めているNASA(米航空宇宙局)の「アルテミスII」プロジェクト。それを支援している企業の一つが日本の光学機器メーカーであるニコンだ。有人宇宙船「オリオン」による月周回ミッションでは、ニコンの「D5」2台と「Z9」が使われている。
ニコンとNASAの関係は長い。50年以上前のアポロ15号のミッション以来、ニコンのカメラとレンズは、スペースシャトルの運行を含むNASAのさまざまなミッションに使用されてきた。
2016年発売の「D5」は、常用感度ISO 102400を実現した当時としては画期的なデジタル一眼レフカメラ。ニコンによると、翌17年にNASAから53台の大型注文があって以降、国際宇宙ステーション(ISS)などでメインの撮影機材として活動を支えているという。直近では3月18日の船外活動“Space Walk”でもD5が使用された。
一方のZ9は、21年発売のフルサイズミラーレスカメラ。発表時にはフラグシップ機からメカシャッターがなくなったことで注目を集めた。NASAには24年1月に納入され、すでにISSで運用されている他、23年にはアルテミス計画向けのHULC(手持ち型ユニバーサル月面カメラ)のベースとして採用されている。HULCが活躍するのは、アルテミス計画の第3段階となる有人月面着陸ミッション「アルテミスIII」の予定だ。
当初は「D5」2台だけの予定だった
NASAの特別通信補佐を務めるジョン・クラウス氏(@johnkrausphotos)は、今回の月周回ミッションでは、もともと2台のD5のみを持っていく予定だったが、Z9が後で追加されたとXに投稿している。また米国の独立系メディア「PetaPixel」によると、Z9の追加はオリオン宇宙船のクルーの要望で、宇宙環境でのテストのためだという。
信頼性が高く、多くの実績もあるD5とはいえ、設計は10年以上前のもの。クルーも新しいカメラを試したかったのかもしれない。なお、ニコンはHULCについて「今もNASAと密接に連携しながら開発を継続中」としており、オリオン宇宙船で使用されているZ9がそれなのかは分からなかった。
NASAのギャラリーには、連日のようにD5やZ9で撮影された月や地球の写真が追加され、世界中の天文ファンやカメラファンを魅了し続けている。これらの写真は、NASA公式サイトの他、NASAの「イメージ&ビデオライブラリー」、写真共有サイト「flickr」の「NASA Johnson」ページなどで見ることができる。
【訂正:2026年4月8日18時44分更新 ※ニコン「Z 9」の表記を現在の「Z9」に改めました】
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
FANZA、成人向けAI創作・公開サービス「FANZAスタジオ」発表 先行体験は8月24日から
-
2
「comico」サ終にマンガ家が思う“縦読みマンガ”の弱点と戦略ミス
-
3
目指すは、日本発IPで海外売上20兆円 経産省が新戦略を発表 「ものがたり大国5カ年計画」
-
4
LINE、着せかえ表示問題を謝罪 希望者に返金へ
-
5
中国の動画サイト「bilibili」にグローバル版アプリ 日本でも配信開始 まずはAndroidから
-
6
Googleのオープンモデル「Gemma」、累計10億ダウンロード超 GitHubに公式ディレクトリ公開
-
7
Tesla歴5年の筆者がみなさんの疑問に答えます
-
8
終了発表の縦読み漫画「comico」――元重課金ユーザーが振り返る「いつしか開かなくなった」理由
-
9
TikTok、児童プライバシー訴訟で4億ドル支払いへ 米司法省と和解
-
10
三重・中3殺害で逮捕の少年、Twitterで「めっちゃやばい」「手の震え止まらん」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR