文部科学省は4月11日、NASA(米航空宇宙局)との間で、国際宇宙探査「アルテミス計画」の「与圧ローバによる月面探査の実施取決め」に署名したと発表した。NASAは将来のミッションで日本人宇宙飛行士による月面着陸の機会を2回提供し、日本は与圧ローバーを提供して運用する。
文書は、月面探査に関する日米の協力事項の詳細を規定したもので、10日(日本時間)には米国のNASA本部で、盛山正仁文部科学大臣とNASAのビル・ネルソン長官による署名式が行われた。
日本人宇宙飛行士は、2026年以降に実施される複数回の有人月面着陸のいずれかに参加する見通し。文書には、NASAが「日本人宇宙飛行士の月表面ミッションへの可能な限り早期の割り当てを求める文部科学省の要請を考慮する」とも記した。
有人与圧ローバーは、2人の宇宙飛行士(緊急時は4人)が宇宙服なしで居住しながら月面を移動する手段として開発している月面探査車両で、探査領域を各段に拡大すると期待されている。JAXAは「人類の知の創出と活動領域の拡大のため、アルテミス計画における国際協力をより一層加速させるべく、JAXAの総力を挙げて研究開発に取り組む」としている。
ネルソン長官は同日、Xで「外交は発見につながり、発見は外交につながる」と日本との新たな協定を紹介。「新しい与圧ローバーのおかげで、私たちはこれまでにない方法で月を探索できるようになる」と記している。
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