シャープの“AQUOSハイビジョンレコーダー”「DV-ARW25」は、2系統の3メディア対応デジタルチューナーと1系統の地上アナログチューナーを搭載し、ハイビジョンデジタル放送の2番組同時録画をサポートしたDVDレコーダーだ。本日発売(6月12日)の最新モデルを製品版で試用した。
デジタル放送の2番組同時録画は旧モデル「DV-ARW15/12」で実現していたが、従来は2つめの録画ユニットが地上デジタル放送限定という変則的な構成だった。今回は、2つめの録画ユニットがTS記録専用という点は変わらないものの、チューナーを「7チューナー」(地デジ×2、BSデジ×2、CS110×2、アナログ地上波)に拡張。これにより、たとえばBSとBS、CS110とCS110といった組み合わせの2番組同時録画も可能になった。この2つめの録画ユニットによる録画を「裏録」と呼び、独自の使い勝手を提供しているのが同機の特徴だ(詳細は後述)。一方、1つめの録画ユニットはデジタル放送のTS記録/MPEG録画にくわえ、地上アナログ放送のMPEG録画にも対応する。
i.Link端子はMPEG2-TS入出力とHDV入力をサポート。MPEG2-TS(無劣化)でD-VHSデッキへのムーブ、他のデジタルレコーダーからの本機へのダビングをサポートする。将来的には本機でデジタル放送を録画した番組を、次世代DVDドライブを備えたハイビジョンレコーダーへ録画番組をムーブし、無劣化のまま次世代DVDメディアへ残すといった可能性も備えているわけだ。ただし、逆方向のムーブ(本機へのムーブ)は不可のため、たとえば本機を2台購入してもMPEG2-TSで相互ダビングができるわけではない。
DVDドライブはDVD-R/DVD-RW/DVD-RL DLメディアへのダビングに対応。ただしCPRM対応メディアにDVD-VRフォーマットでダビングが可能なのはDVD-RとDVD-RWだけで、DVD-R DLへはデジタル放送のムーブができない。再生に関してはDVD-RAM、ファイナライズ済みのDVD+R、DVD+RWメディアにも対応しており、再生メディアは豊富だ。
AV入力はS端子付きが2系統。AV出力は、S端子付き1系統にD4対応のD端子+音声が1系統、HDMI出力が1系統で、これに光オーディオ出力が加わる。競合製品の多くがそうであるように、D端子出力とHDMI出力は排他利用になるものの、HDMIケーブルの接続を検出して自動的に入力を切り換える機能を持つ。また、リモコンで出力を切り替えることも可能だ。
2番組同時録画機能について、詳しく解説していこう。冒頭で触れたように、「裏録」用の2つめの録画ユニットは、デジタル放送のTS記録専用で、テレビ視聴には利用できない。また録画中のモニターも行えない(録画中の番組をテレビに表示できない)という割りきった仕様だ。
「裏録」を使うメリットは、操作がシンプルになること。たとえばEPGから番組を選択すると1つ目の録画ユニットで録画予約を試み、録画予約の時間帯が重なった場合のみ「裏録予約する」「重複予約を休止し予約する」「予約しない」の選択肢が提示される。選択肢のデフォルトが「重複予約を休止し予約する」となっている点は「あれ?」と思わないこともないが、「裏録予約」するかどうかはあくまでユーザーの判断に任せるということなのだろう。実際に試用してみても、録画に関する操作性はシングルチューナー機と大きく変わらなかった。
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