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ソニーのデジタル・ウォークマン復活の日まで使いたい「ASONO MICA」プロフェッサーJOEの「Gadget・ガジェット・がじぇっと」!(1/3 ページ)

» 2006年06月16日 21時05分 公開
[竹村譲,ITmedia]

 ソニーの「ウォークマン」が日本で初めて発売されたのが1979年。あれから27年余りの間に世界は大きく変化した。今、「アナログからデジタルへの転換期」に「大逆転期」のあったモバイル・ミュージック・プレーヤーの世界は、ソニー帝国からアップル共和国への移行でその最初の決着を迎えようとしている。

 世界や社会の大きな一角を制していた仕組みが崩れるのは、そこにより大きな環境変化があり、最もその環境変化を知ることの出来る立場に居た当事者がその変化を、察することの出来なかった時に起こるものだ。一度狂った感覚と経験は、それを元に戻すのは大変だ。アップル社のiPodの第5世代が勢揃いし、それらを迎え撃つはずのソニーのデジタルウォークマンが登場した日に、筆者はそのことを理解した。

 今の筆者の様に、結果を見てモノを言うのはいとも簡単だが、ネットの拡大は、ケータイやパソコン、デジタルカメラやミュージック・プレーヤーまでを巻き込んで、社会の興味や市場の方向性、技術開発の対象を変化させた。箱の中から箱の外、そして、箱と外の世界との関係に急激に移行、拡大していった。ミュージックプレーヤーという基本的にはIT世界とは一見して関係の無いと思える世界に、彗星の如くiPodが登場した大きな背景だろう。

 しかし、国内外を問わず、右を見ても左を見てもこれだけiPodが市場を席巻すると、辟易する筆者のような人間も少なからず居るだろう。「以前の神」である今のソニーにその選択肢となる商品は見当たらないかも知れないが、広い世界に目を移せば個性的で扱いやすく、ミュージック・フレンドリーなデジタル・ミュージック・プレーヤーは少ないものの確実に存在する。

 北欧・ノルウェーの商品で、「ASONO MICA」(アソノ ミカ)と呼ばれるデジタル・ミュージック・プレーヤーがある。登場当初は、「他人と同じは嫌だ」と主張するオンリーワン大好きタイプやデザインコンシャスな業界先端人間が好む超マイナーな商品だった。ASONO MICAは、今や、有形産業を飛び越えて、世界中のあらゆる国家で力を入れているデザイン”力”(デザインリョク)の生み出した商品だ。

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 デザインを手がけたのは、世界に通じる独特のデザインを展開しているノルウエーの「ノルウエーセイズ」(Norwaysays)だ。商品化されたASONO MICAは、国内では正規代理店のインターオーシャンが輸入。青山(地下鉄外苑前)にあるデザイナーズショップ「シボネ」などの店頭やWeb上で販売されている。残念ながら入荷数量が少なく、毎回入荷即売り切れの状況だ。

photo MICAは、最近では、それほどめずらしくもなくなってきた本体・ヘッドフォン一体型のMP3プレーヤーだ。

 本家のノルウエーや米国のWebショップでは、この原稿執筆時点でも、既に1Gバイト容量のモデルが販売されているが、インターオーシャン経由で日本国内に輸入、流通されているモデルはその半分の容量の512Mバイトであり、昨今のデジタル・ミュージック・プレーヤーの基準から考えると非力感は否めない。ただそれは1Gバイトでも大差はないのかもしれない。しかし、その独特のデザインと扱いやすさは、そのハンディを差し引いてもプラスであると考える人も居るだろう。

photo ちょうど、ボディ上位置で本体をハングしているストラップとヘッドフォンが分離する。リスニング時の安定度は抜群だ

 筆者が購入したのはシンプルな「ブラック」カラーだ。ほかに「ホワイト」と「レッド」の3色がラインアップされている。店員の話では、「ブラック」が一番の売れ筋らしいが、現物をみた限り、何れのカラーもシンプルな外観と相まって個性的で、当然のことだが、カラーによる優劣は付けがたい。自分の生活カラーやライフスタイルなどに合わせて選択するのが一番だ。

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