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広角がトコトン楽しめるハイエンドなマニュアル機――LUMIX「DMC-LX2」(2/5 ページ)

» 2006年08月07日 21時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 画角は「対角線」で測るので16:9で28ミリ相当といわれてもなかなかピンとこないが、感覚としては、4:3比の28ミリ相当カメラに比べて、縦はちょっと狭く、横は結構広く撮れると思えばいい。

 アスペクト比の切替はレンズ部上にある切替スイッチで瞬時に行うことができる。こういうメカニカルスイッチがあるおかげで、そのときどきの気分や構図で自在に切り替えられるのはなかなかの楽しさだ。

photo 鏡胴部側面にフォーカスモード切替スイッチがある。レンズは2段沈胴式で、収納時も鏡胴とそこから数ミリ飛び出た部分は残る

 撮影最短距離は通常でワイド端50センチ、テレ端1メートル。マクロモードにするとそれぞれ5センチ/30センチとなる。フォーカスモードの切替は鏡胴側面のメカニカルスイッチだ。

 LX1に比べて大きく進歩したのがISO感度。LUMIXシリーズは高感度時のノイズが目立つといわれてきたが、この2006年秋モデルからヴィーナスエンジンIIIを搭載。通常撮影時でもISO1600まで上げられるようになった(シーンモードの高感度にするとISO3200まで上がる)。

 感度を上げると強くノイズ低減処理が入るようで、ノイズは目立たないその分のっぺりしてディテールが失われる感じはある。

 ISOオートに加えて「インテリジェントISO感度設定」機能も用意された。動く被写体だと「自動的に感度を上げる→シャッタースピードを速めにする」という機能。半押しの状態ではまだISO感度が決まらず(この時点では絞りだけが決定される)、全押しした時点でカメラ側が画像を判断してISO感度とシャッタースピード決定という仕組みだ。

 もともとLUMIXシリーズはよほど手ブレ補正に自信があるのか、以前からオート時のISO感度を上げたがらない(=シャッタースピードが遅めになる)傾向がある。インテリジェントISO感度が働くことでそれをフォローするという感じ。

 いくつかの条件で試してみたが、効果的に働くときとそうじゃないときがあるようで、じっとしてない被写体でもシチュエーションによってISO感度の上がり方に差があるようだ。

 LX2クラスのマニュアル系モデルなら、インテリジェントISO感度より、画質優先ISOオート、ブレ軽減優先ISOオートのようにプログラムを2種類用意してもらった方が嬉しかった気はする。インテリジェントISO感度では、撮ってみないとシャッタースピードがいくつになったか分からないからだ。

ジョイスティックの使い勝手はよりよくなった

 使い勝手の面ではLX2はなかなか優秀だ。このクラスのコンパクト機としてはなかなか考えられており、LX1よりちょっとよくなった。

photo 背面。2.8インチの液晶モニターはかなり大きい。円形に並んだ十字キーの左上に小さなジョイスティックがある。プログラムAE時はこれを左に倒すと露出補正、右に倒すとAFエリア移動ができる

 まずディスプレイは16:9のワイドで2.8インチ。背面の半分以上を液晶が占めるという感じのでかさで、かなり見やすい。ディスプレイボタンを長押しすることでバックライトを明るくするパワーLCDや、ハイアングルモードを使える。

 ディスプレイ表示内容もちょっと細かく決められるようになり、十字のグリッドとヒストグラムと撮影情報の同時表示ができるようになった。その右にはLX1でも採用されたジョイスティックがある。

photo AFエリアは9点から選ぶことができる。もうちょっと柔軟に広い範囲で選べるとマクロ撮影時などに便利なのだが残念
photo スティック中央を長押しするとこのメニューが現れる。左からAFモード、測光モード、ホワイトバランス、ISO感度など。「“I”ISO」がインテリジェントISO感度自動設定

 LX1と同様、ジョイスティックを長押しするとクイック設定として画面上部にメニューが登場。測光モード、AFモード、ホワイトバランス、ISO感度、画像サイズ、画質をスティックだけでさっと切り替えられる。特にAFモード、ISO感度、ホワイトバランスの3つはよく触りたいので便利。

 さらに、普段でもスティックを左に倒すと露出補正モードになってスティックの上下で露出補正が、右に倒して中央を押すとAFポイントを9カ所から選べるようになった(一点AF時のみ)。これはよいアイデアだ。前モデルよりスティックの利用頻度は上がるだろう。

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