Photokinaでおそらくもっとも注目を集めているのがシグマブースだ。第3ホール上部階のキヤノン・松下といった大手メーカーと互角の広さ(もともとコニカミノルタが入る予定だったスペース)に大きなブースをかまえる日本が誇るレンズメーカーが、“デジタルカメラの本体”で今回大きな話題を集めている。FOVEONイメージセンサーを搭載した「SD14」と「DP1」だ。
シグマの山木和人社長に、Photokina会場で話をうかがった。
――フォトキナ前からウェブで告知をしていたSD14ですが、ブースにはいきなり動作可能状態のSD14が並び、ハンズオンコーナーまで用意していたのには驚きました。
山木社長: 11月発売ということで、現在、追い込みをかけているところですが、現時点で来場者に触ってもらっているのはα版からβ版へ移行する手前ぐらいの試作機です。
――SD14のセールスポイントをひとことで言うと?
山木社長: イチバンの魅力は、14メガピクセルのFOVEON新世代版を採用していることです。もともとFOVEONは解像感では定評があったのですが、新世代では高感度撮影時のノイズが減ってS/Nが非常によくなりました。
――SD14は、やはりフォーサーズではなくシグママウントだったわけですが、自社ブランドでのデジカメ製品の位置づけ・狙いをあらためて教えてください。
山木社長: 「フォーサーズのボディは?」とよく聞かれるのですが、当社ではフォーサーズ加盟よりもSDの開発の方が先でした。先にスタートしているSDシステムの発展を第一に考えるのがメーカーの責任と考えています。当社は、あまり目立たなかったかもしれませんが1976年からフィルムカメラに取り組んで、以降、マニュアル・AF機と何機種かリリースしてきました。レンズメーカーに安住するつもりはなく、システムで映像を提案できる企業になりたいのです。また、カメラ本体を開発することで、レンズに必要なことも分かってきます。
――フォーサーズでは新レンズを発表しましたが、今後のフォーサーズの展開と御社の規格に対する姿勢を教えて下さい
山木社長: フォーマットが違うということから、非常に多くの可能性を秘めていると思います。例えば、当社がフォーサーズ用レンズとしてリリースした150mmF2.8マクロがありますが、これがフォーサーズ規格だとサンニッパ(300mmF2.8)になるのです。高性能なレンズをコンパクトに、しかも手頃な価格でというニーズをかなえてくれるのが、フォーサーズの魅力です。オープンシステムを採用したということは、大英断だと思います。当社にできる範囲で、フォーサーズの発展に貢献していきたいですね。
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