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シワにならない乾燥できます――東芝の新ドラム式洗濯機(1/2 ページ)

» 2006年11月07日 20時26分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 東芝は11月7日、乾燥時の衣類の傷みや縮みを低減するドラム式洗濯乾燥機「TW-170VD」を発表した。12月上旬から販売する予定で、価格はオープンプライス。店頭では21万円前後になる見込みだ。合わせて薄型タイプの「TW-170SVD」もリリースした。

photophoto ドラム式洗濯乾燥機「TW-170VD」

 従来の乾燥機能では、内蔵ヒーターが最後まで温め続けるため、水分の減った仕上げ工程ではドラム内が高温になりがちだ。東芝コンシューママーケティング家電事業部長の伊藤信雄氏によると、温度をアバウトにコントロールしていると、過熱しすぎて(過過熱)衣類にダメージを与えることが少なくないという。また、生乾きの繊維を折れ曲がった状態で過熱するため、「まるで“アイロンをかけた状態”になり、衣類のシワの原因になる」(同氏)。

 新製品では、乾燥時に専用の32bit DSPがヒーターのオン/オフを細かく制御することで、ドラム内温度を「衣類のダメージを抑えられる上限」の80度以下にキープする。さらに仕上げ工程では、背面の吸気口から外気を取り込み、急速クールダウン。「ドライヤーで髪を乾かすときのように、温風で渇かし、送風で仕上げる。消費電力を従来より7%カットしながら、衣類を傷めず、柔らかく仕上げることが可能になった」としている。「たとえば衣類のプリントを傷めない。パイル地の繊維が立つ」(同氏)。

photophoto 乾燥工程(左)と乾燥時のヒーター制御デモ(右)。ヒーターのオン/オフ制御によりドラム内を80度以下に抑える
photophoto 衣類のプリントを傷めない(左)。右はパイル地の仕上がり比較。天日干しよりも柔らかく、繊維が立つように仕上がるという

 また、同社のアンケート調査で“洗濯乾燥機を所有しているが、普段は外干しで、困ったときだけ乾燥機を使う”というユーザーが8割に達する点に着目。脱水時にドラム内の温度を約65度に上げて除菌を行い、さらに銀イオン(Ag+)コートを付加した「ヒート除菌脱水」を搭載にした。これにより、脱水後は衣類についた大腸菌や黄色ブドウ球菌の数がほぼゼロになり、「部屋干ししても匂わない」という。さらに取り出し時(脱水後)の布温度を約40度に上げる「あったか仕上げ」により、天日干しや部屋干しにかかる時間を短縮した。

 ぬいぐるみや帽子など、水を使って洗濯できない衣類を消臭する機能も備えた。「ヒート除菌消臭」は、ドラム内の温度を約70度に上げ、熱で除菌/消臭するシステム。さらに熱風の通り道に水を通してマイナスイオンを発生させる。デモンストレーションでは、タバコの臭いがついたTシャツをヒート除菌消臭にかけ、約20分後には「臭いを感じないレベル」になることをアピールした。

photophoto 「ヒート除菌脱水」の効果(左)。「ヒート除菌消臭」のデモンストレーションの様子(右)
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