レビュー
ケータイサイズの超広角2眼デジカメ――コダック「V705」(1/4 ページ)
2006年初頭、コダックから「こんなヘンなデジカメは世界にひとつしかあるまい」といわれるほど個性的な製品が登場した。「Kodak EasyShare V570 デュアルレンズ デジタルカメラ」(以下、V570)である。
何しろ、レンズをCCDも2つ搭載し、ひとつは23ミリという超広角、もうひとつは38~114ミリという普通の3倍ズームという大胆な構成なのだ。しかもすごくスリムでコンパクトで(携帯電話ケースにそのまま入るくらい)、黒を基調としたレトロモダン風な(70年代に考えられた未来のテレビ、みたいな)デザインもなかなかよかった。
細かい使い勝手の悪さや難はあったものの、一部に熱狂的なファンを獲得し、多くの人が注目してたのである。
でも、その後、コダック社がデジカメ製造事業をシンガポールの会社に売却すると発表(http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0608/02/news023.html)、日本での発売も不透明になり、米国で発表されたV570の後継機「Kodak EasyShare V705 デュアルレンズ デジタルカメラ」(以下、V705)の日本発売も未定。しかもV570はもう販売が終了し、オークションで高く取引されているという噂もあったほどだ。
でもご心配なく。日本では「加賀ハイテック株式会社」がコダック製品の販売を行うことになり、2006年11月1日、無事、V705が日本でも発売されることが決定したのだ。
これでV570を買いそびれた人も一安心である。
超広角をメインで使いたいV705
V705は、V570のボディをそのまま使う(違いはKodakのロゴが新しくなったくらい)V570の後継機。CCDが710万画素にアップし、さらに高感度対応やV570で指摘された数々の改良を施した製品である。
だからV570のよさをそのまま受け継いでいる。それはなんといっても23ミリの超広角レンズ。
ボディを正面から見ると中央に大きなレンズカバーがある。ちゃんと中央にあるところがカッコいい。電源を入れるとこのカバーが横にスライドし、中から縦に並んだ2つのレンズが出てくる。どちらも折り曲げ光学系でレンズが飛び出ることはない。
上のレンズ(とCCD)が超広角の23ミリ、下のレンズ(とCCD)が39~117ミリの3倍ズームレンズである。
23ミリ側はパンフォーカスでF2.8。パンフォーカスなのでAFなんて気にしなくても撮れるのはよいが(そもそも超広角なので被写界深度も広い)、最短撮影距離が80センチ。よって近距離のものを撮ることはできない。
でも、23ミリという画角をこんなに小さく手薄くて軽いカメラで楽しめるのはラッキー。持って歩けば無駄に撮りまくること請け合いだ。
そしてマクロやスナップなど23ミリでは賄えないときに下側のズームレンズの出番となる。
ズームレバーを望遠側に倒すと、下のズームレンズに瞬時に切り替わる。こっちはF3.9~4.4。広角側でF3.9と結構暗いのが難点。その代わりちゃんとAFもついていて、マクロモードにするとワイド端で5センチまで寄れる。
3倍ズーム側のレンズは描写力もあまり高くなく、暗いのでブレやすい。そういう意味では23ミリ超広角レンズがメインで、ズームレンズはオマケと思っていいくらいだ。
V570でマクロ撮影をするには、レンズを切り替えてからマクロモードにする必要があったが、V705ではマクロモードにすると自動的にレンズが切り替わるようになった。細かい改良点だ。
ISO感度は50から1000。V570では最高がISO400、ISO800にすると画像サイズが落ちるという仕様だったが、V705ではフルサイズでISO1000まで上げられるようになった。
もともとコダックのデジカメはディテールの描写力よりリッチな発色がウリだったこともあり、高感度時のノイズ低減処理による描写力低下もあまり気にならない。ISO800以上ではさすがに画質劣化が目立つが、V570に比べるとかなりよくなっている。今回の発売前のカメラでは高感度時に縞模様のノイズが出てしまったが、これが製品で抑えられていたらうれしい。(*1)
*1:コダックによると「高感度時の縞模様のノイズは試作機モデル特有の問題で、製品版では解決している」とのことです(11月15日 編集部追記)
なおISOオートでは最高でISO200なので、暗いときは手動で高感度にするべし。
手ブレ補正機能は持たないが、その代わり、手ブレ補正警告機能がある。撮影したあとに緑・黄・赤の三色で撮った写真の手ブレの度合いを教えてくれる。赤なら感度を上げて撮り直した方がいいし、黄ならあと何枚か押さえるておけばいいかなという感じ。たまにハズすこともある(ブレてないのに赤い警告が出たり、ブレてるのに緑だったり)が、その辺は参考程度に、だ。
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