前述したようにボディはV570とまったく同じ。前面は中央にレンズ、背面は中央に2.5インチの液晶モニターを搭載したシンメトリデザインで、ブラックボディにシルバーのパネルというデザインはかなりいい。レトロモダン系家電デザインが好きな人にはたまらないだろう。
上面にはシャッターボタン、電源のほかにモードボタンが3つ。静止画・動画・お気に入り(再生ボタンではないことに注意。お気に入りアルバムに登録した画像だけを再生する機能)。
電源以外にそれぞれのモードボタンを押しても起動する。静止画ボタンは押すたびにオートとシーンモードが切り替わる仕組みだ。
V705は基本的にフルオート系のデジカメで操作もシンプル。背面にボタンは多いが、1ボタン1機能で、撮影時に使うのはフラッシュ発光のみ。あとは十字キーの上がディスプレイ表示、下がマクロ・無限遠モード、左右が露出補正になっているだけだ。
あとはメニューで。メニューではセルフタイマー、連写、ホワイトバランス、ISO感度、測光パターン、AFパターンなど基本的な機能が揃っている。
原則としてこれらの機能をセットしても電源をオフにするとすべてデフォルトに戻る仕様になっているが、V570ではそれを嫌う人が多くおり、V705では「設定の保持」機能が付いた。ここでは電源を切っても保持される機能を自分で指定することができる。
これでやっと、スイッチを入れるたびにフラッシュが自動発光になってしまうという事態も避けられるわけだ。
シーンモードは非常に豊富で小さなアイコンが21個並ぶ。そこにひとつだけV705ならではのユニークな機能がある。パノラマ撮影である。
23ミリという超広角を生かした機能で、指示通りに3枚撮影すると、それをカメラ内で合成して180度パノラマ画像を作ってくれるのだ。内部の合成アルゴリズムはかなり賢く、手持ちでも上手に撮ればきれいにつないでくれる。
今回のパノラマ作例は2つとも三脚を使わず手持ちで撮影したもの。下手なパソコン用ステッチソフトよりきれいにつながっているのが分かるかと思う。23ミリと広角なので3枚で180度をフォローできるのも楽しい。
動画はMPEG-4圧縮のQuickTime Movie。MPEG-4なので撮影時間を長く撮れ、しかも広角動画である(電子式手ブレ補正の関係で、少しだけ画角は狭くなるが)。そういう意味でも貴重だ。
再生は背面のREVIEWボタンを使う。慣れないと分かりづらいが、覚えてしまおう。
REVIEWボタンの下にあるのがshareボタン。コダックのEasyShareシリーズ共通のボタンで、カメラ上で再生しながらプリント指定やEメール指定、お気に入り指定ができる。これはEasyShareタイプのプリンタドックや付属のドックでパソコンにつないだとき役立つが、V705からカメラ上でお気に入り指定すると、それが内蔵メモリにコピーされるようになった(以前はパソコンを使って転送する必要があった)。
気に入った写真をその場で「お気に入り」にしておくと、内蔵メモリに画面表示用のサイズで記録され、上面のお気に入りボタンでいつでも呼び出せるのである。後から誰かに見せたい写真、見なおしたい写真はこうして登録しておけば、メディアをフォーマットしても残る。とてもよい機能である。
V705は持ち歩いてみると実に楽しいカメラであることが分かる。何しろ、これだけ薄くて軽くて携帯電話ケースに入っちゃう23ミリの超広角デジカメはほかにはないのだ。
日常用の超広角デジカメとして持ち歩き、必要に応じてズームレンズも使うという、広角メインのカメラと考えるべきである。起動は速いし広角側はパンフォーカスなので撮りたいときにすぐ撮れるのもよい。
画質面では色は安定していて気持ちいいが、ディテールの描写は甘いし、ダイナミックレンジは結構シビアで白飛びしやすいしで、ちょっとクセがある。
それでも500万画素のV570に比べると格段によくなっており、とくに超広角時のディテールはV705の方がかなり上がった。細かい使い勝手もよくなってるので、V570ユーザーが買い換えても惜しくないくらいだ。
これは是非、お散歩の友として、あるいはセカンドデジカメとして、幅広く楽しんで欲しい。個人的にはレンズが2つあるというユニークさやそのシンプルなデザインも好きなので、是非手元において毎日持ち歩きたいデジカメである。
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