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れこめんどDVD:「M:i:III(HD DVD)」DVDレビュー(4/4 ページ)

» 2006年11月24日 00時24分 公開
[飯塚克味,ITmedia]
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ドルビーデジタルプラスの音響も特に不満はなし

 映像本編は1080pのハイビジョン収録。音声は英語、日本語共にドルビーデジタルプラスの5.1chサラウンドで収録している。パラマウントはdtsを積極的に取り入れているが、本ディスクではdts収録は見送られたようだ。ただしドルビーデジタルプラスの音響も充分な鮮度を保っており、不満はない。

大容量の次世代ディスクなのに、なぜ2枚組なのか?

 別ディスクに収録になった特典映像についてだが、なぜ次世代ディスクで別ディスクになったかと言うと、実は特典映像の大半がHD収録だったことが原因となっている。言うまでもなくHD映像の容量の取り方は半端ではなく、無理に1枚に収めれば本編クオリティの劣化も防ぐことはできないだろう。ここは「次世代で2枚組なんて〜」というよりは、素直に高画質となった特典を楽しむべきだろう。

コメンタリー含め特典も見応え十分

 HD収録となったのは「『M:i:III』のメイキング」「『M:i:III』のアクション」「『M:i:III』のプレビズ」「変装のミッション」「『M:i:III』の音楽」「削除シーン」「劇場予告編」「フォト・ギャラリー」となっている。

 「IMFの組織内部」「『ムービーフォン』:トム・クルーズ/J・J・エイブラムス」「映画公開PRキャンペーン映像」「TVスポット」「映画での輝き:クルーズ」はSD収録だが、いずれも見応えある内容となっていて、飽きるようなものはなかった。

 約29分の「『M:i:III』のメイキング」では見どころ別に裏話を充分に楽しめるし、意外な場面がセット撮影だったことも分かり映画のスケールに驚かされる。

 「『M:i:III』のアクション」ではトム・クルーズがアクションを自らやることを想定したスタントを考案したそうで、ここでもトムのやる気が感じられうれしくなってしまった。

 「変装のミッション」では劇中に登場するマスク製造機にシド・ミードが関わっていたことが明らかにされ、「ブレードランナー」ファンなら思わず膝を叩いてしまうはずだ。「『M:i:III』の音楽」では音楽収録時にトムがスタジオを訪ねたことも映像で見せてくれる。指揮を取るトムの姿がユーモラスだ。「削除シーン」は全部で5つあるが、いずれもカットして良かったものばかり。

 「『ムービーフォン』:トム・クルーズ/J・J・エイブラムス」では一般から寄せられた質問にトムと監督が答えていくという企画。この2人、よほどウマが合ったのか、終止楽しそうに会話していたのが印象的だ。「映画公開PRキャンペーン映像」では東京も登場!もし現場にいて、画面に映っているファンがいたらお宝映像として家宝にするのではないだろうか?

 「映画での輝き:クルーズ」はイベント用に作られたトム・クルーズの映像集。これまでの映画作品が見事な編集でまとめられ、トムの足跡を一瞬にして確認できる。ただし個人的に気に入っている「レジェンド/光と闇の伝説」はわずか1カットのみという淋しい扱いだったのがちょっと残念だった。

 本編に収録されたコメンタリーではトム・クルーズが共演者やスタッフたちの仕事や背景をよく記憶していることに感心!さすがプロデューサーとしても参加しているだけのことはあると思えた。一方、監督の方も短いカットに至るまで演出のツボをキチンと説明してくれるので、映画の教科書としても活用できるだろう。

果たして4935円は高いのか!?

 最初の方でDVDよりも1000円高いと書いたが、全て見終わった時、これならその値段も充分納得と自分に言い聞かせることができた。それでも割高に感じる方には同時発売となった「M:I ボックス」の購入を薦めたい。こちらはシリーズ3作品全てそろって、合計1万2000円なので、1枚あたりの単価は4000円と大いに下がる。

 これからもどんどんこだわり仕様の次世代ソフトは出現するだろうが、このソフトはそうした後続の作品にとっても良きサンプルとなってくのではないだろうか?そんな気分すら感じさせる「M:i:III」のHD DVDソフトだった。

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