DLPプロジェクターの賢い選び方
今年オススメの最新DLPホームシアタープロジェクター(後編)(1/2 ページ)
「DLPプロジェクターの賢い選び方」を探る今回の短期連載。今年注目の最新DLPホームシアタープロジェクターについて語ってもらった「対談(前編)」に続き、後編もAV評論家の小原由夫氏と本田雅一氏に登場してもらい、大幅に買いやすくなったフルHD DLPプロジェクターの“賢い選び方”を分かりやすく紹介してもらった。
――前回の対談では、これまで50万~100万円以下のミッドレンジ価格帯にDLP機の商品層が薄かったことが指摘されていました。そうした観点から見ると、フルHDのDLPでありながら低価格を実現しているベンキューのW10000は注目株ではないでしょうか?
本田: W10000は単板DLPならではの高精細感がきちんと引き出せていますし、低価格でも電動ズームやシフト、フォーカス機能を備えていますから、ハードウェア構成としてローエンドというわけではありません。ただ、デフォルトの画質設定が追い込まれていないという印象を持ちました。パラメータ値を工夫して良い絵に追い込んでいける人には、お買い得かもしれません。
小原: もの凄く明快な主張のある絵ですよ。色をこってりと乗せながら、高精細感がしっかりと保たれている。全体の色の調子がハイキーで、眩しいくらいの ハイパワー。あの極彩色の画調は、正直いって日本人には味が濃過ぎるかもしれませんが、欧米人が好みそうな色合いではありますね。海外で人気の高いブランドという点はうなずけます。ただ、他機種に比べていかんせん投射距離が長過ぎるのが残念ですね。
本田: もっとも、フルHDという解像度ばかりに注目しなくても良いのではと思うこともありますね。解像度は大切な要素のひとつですが、解像度だけで画質が語れるわけでもありません。投影サイズにもよりますが、720pでもより好みの画質ならばトータルでの満足度が高い場合もあります。
小原: 加えてコンテンツの成熟度もありますね。ディスプレイ側のフルHDの解像度があるかどうかという議論がどうしても先行しますが、フルHDプロジェクターを無理して用意して見るに値するコンテンツがどれだけあるのか。当面のメインコンテンツであるDVDもキレイになってきていますし、BSデジタルの映画放送は結構キレイなんですが、それでもある層のユーザーはWXGAで十分に満足できると思います。
本田: 確かに高解像度であることに越したことはないのですが、720p対応機の場合、デジタル放送にはつきもののMPEGノイズも縮小されて見えにくくなり、かえってS/N感が良く見えるということもあります。今後はブルーレイやHD DVDのパッケージも増えてくるでしょうが、地上デジタル放送なんかは720pの方が見栄えはいいこともある。
小原: 精細感に関しても、単板DLPは高いですからね。“フルHD”を目の上のたんこぶと思わなくてもいいんじゃないかと私個人は思います。今の720p DLPなら、3年ぐらいは十分満足して使えると思いますから。
――その720p DLPですが、三菱電機の2機種とシャープXV-Z3000の違いはどんなところにありますか?
小原: Z3000とHC3100が同じぐらいの価格ですが、精細感とか精密さ、見た目の精細感ではHC3100の方が良いでしょう。その一方で、パッとみて“あぁ、キレイだなぁ”という映像の鮮やかさはZ3000の方があります。設置性の違いもあり、三菱の場合は打ち込みが深いのでキーストーン補正なしで投影しようと思うと、制約が大きい。その点、同じようにレンズシフトしないZ3000ですが、打ち込みが浅いため設置計画は練りやすいですね。
本田: Z3000はシャープらしい白ピークの伸び方や黒の沈み感が印象的ですね。赤もしっかり出ているけれど、以前のシャープ製DLPよりも自然に仕上がっていると思います。音楽ライブなどはZ3000の方が向いているように思います。一方でHC3100は、実に落ち着いてしっとりと映画を見せてくれる。
小原: 音楽に喩えれば、イーグルスなどベテランミュージシャンがHC3100のイメージ。一方、Z3000は全盛期のブリトニー・スピアーズのような元気ハツラツな感じかな?
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