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従来比400%のダイナミックレンジ――富士フイルム「FinePix S5 Pro」レビュー(3/4 ページ)

» 2007年02月20日 16時00分 公開
[永山昌克,ITmedia]

独自の操作インタフェースを採用

 撮影モードは、プログラムAE/シャッター優先AE/絞り優先AE/マニュアル露出の4つを装備し、グリップの前後2カ所にあるコマンドダイヤルでシャッター速度と絞りの調整ができる。AFは11点の測距点があり、暗所でもてきぱきと作動する。ファインダーは倍率0.94倍、視野率95%のペンタプリズム式で、視認性は良好。このあたりはD200の同等の性能で、中級クラスのデジタル一眼レフ機として満足できる内容だ。

photo 記録メディアはコンパクトフラッシュで、電源には専用リチウムイオン充電池を使用。CIPA準拠の電池寿命は約400枚
photo ニコンFマウントを採用し、豊富なニコンレンズを使用できる。写真は「AF-S VR Micro Nikkor ED 105mm F2.8G (IF)」を付けた状態

 ただしD200の売りのひとつである信号処理の4チャンネル読み出しには対応せず、連写スピードは見劣りする。FinePix S5 Proの連写は、ダイナミックレンジ100%の場合に最高秒間3コマで、100%以外の場合は秒間1.6コマとなる。つまり広ダイナミックレンジを生かそうと思えば、連写はあきらめるしかない。

 画像の書き込みも高速とはいえない。80倍速のトランセンド製4GBカードを使ったテストでは、JPEGの最高画質の画像を7枚連写すると(ダイナミックレンジ400%を使用)、その書き込みが終わるのに約9秒かかった。その9秒間でも、バッファメモリが空けば順次続けてシャッターを押せるが、書き込み中に再生モードに移行したり、メニュー画面を表示したりはできない。スポーツ撮影など短時間に多くの枚数を撮る使い方には向かないだろう。少しでも快適に扱うには、なるべく高速なカードを利用したい。

 もうひとつD200と大きく違うのは、メニューの操作系だ。背面のボタンの数やデザインは同じだが、左に並んだボタンの機能の割り当てが異なる。FinePix S5 Proでは、撮影および再生メニューはMENUボタンから、詳細設定を行うセットアップメニューはSETUPボタンからそれぞれ呼び出すようになっている。

photo 画質、ホワイトバランス、ISO感度、撮影モード、露出補正はそれぞれの専用ボタンを押しながらコマンドダイヤルを回して設定。この点はD200と同じ
photo MENUボタンを押して撮影メニューを表示した状態。ニコン機の操作系とは大きく異なり、併用する場合は最初は戸惑いもあるだろう
photo SETUPメニューからは、撮影や表示、AF、露出、フラッシュ、ボタン操作などを細かくカスタマイズできる

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