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シリーズのイメージを覆す軽快さと高音質――「gigabeat U」レビュー(1/2 ページ)

» 2007年04月10日 09時01分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
photo gigabeat U101(ホワイト)

 東芝のgigabeatシリーズといえばストレージにHDDを搭載した多機能型ポータブルプレーヤーという印象が強い。ワンセグ放送の録画も可能な「gigabeat V」(レビュー)などはその最たる例だが、フラッシュメモリを搭載したシンプルなタイプ「gigabeat P」(レビュー)も用意されている。

 新発売された「gigabeat U」もフラッシュメモリを搭載し、音楽再生だけに機能を絞ったシンプルな製品だが、新型プロセッサの搭載によって音質を高めたという。高音質をうたうポータブルプレーヤーといえば、ソニーのウォークマン「NW-S600/700」やケンウッドの「MEDIA keg」シリーズなどが思い浮かぶところだが、新製品はどれほどのサウンドを聴かせてくれるのか。チェックしてみた。

軽快さ感じるコンパクトボディにFMトランスミッターも搭載

 まずは外観から。36.2(幅)×76.5(高さ)×10.9(奥行き)ミリ/36グラムのボディは小型軽量なプレーヤーが多く登場している現在、驚くほどのコンパクトさを感じさせるものではないが、手のひらへすっぽりと収まる大きさであり、携帯性に不満を覚えることはない。

 操作インタフェースは十字キーと2つのボタンを併用する一般的なタイプ。十字キー中央のボタンは「決定」で、十字キー上に2つあるボタンは左ボタンが1階層戻る「バックボタン」、右ボタンが現在の使用状況に応じたメニューが現れる「クイックボタン」となっている。なお電源スイッチは本体上側面に独立して設けられている。

photophoto iPod nanoとのサイズ比較(左)、操作インタフェース(右)

 ボディは樹脂製で高級感あふれるとまでは言えないが、側面に配置されている金属製バーが放つシルバーの光沢がなかなかよいアクセントになっている。ただ、前面のディスプレイとボタン部分は光沢のあるアクリルでカバーされており、指紋が付きやすいのは気になるところだ。

photophoto 電源スイッチは上部に独立している(左)、前面のアクリルパネルには指紋が付きやすい(右)

 ラインアップは1Gバイトのメモリを搭載した「U101」と2Gバイトのメモリを搭載した「U201」の2種類。今回はホワイトモデルを試用したが、カラーバリエーションとしてはこのほかにもオレンジとブルーが用意されている(ブルーはU101のみ)。ブルーモデルは同社の携帯電話「A5511T」をどことなく連想させると思うのは筆者だけか。

 再生可能なファイル形式はMP3/WMA/WAVで、前面に用意されている1.1インチのカラー有機ELディスプレイにはJPEG画像の表示も行える。ただ、このディスプレイの解像度は96×96ピクセルとさほど高くない。文字中心のメニューを操作している限りでは過不足ないが、アルバムアートや写真を転送して表示させてみると物足りなさを覚える。

photophotophoto 有機ELディスプレイは視認性は高いが、解像度が高くないのでアルバムアートや画像を表示させると少し残念な感じ

 電源には内蔵リチウムイオン充電池を使用し、約14時間の連続利用が可能。パッケージにACアダプタは含まれておらず、USB経由で充電するスタイルとなっている。充電は約3.5時間で完了する。なお、急速充電機能も備えており、約10分の充電で約2.4時間の利用も可能だ(オプションのAC充電器を利用すれば約10分の充電で約3時利用できる)。

 ダイレクトレコーディングのほか、FMラジオとFMトランスミッター機能を搭載するのも特徴のひとつ。FMラジオ/トランスミッターはさほど目新しいものではないが、本製品を2つ用意すれば、片方を送信機/片方を受信機とすることで、同じ曲を2人で一緒で楽しむことも可能だ(どちらか一方は本製品でなくても構わない)。同社では「ペアリング」としてこの機能をアピールしている。

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