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シリーズのイメージを覆す軽快さと高音質――「gigabeat U」レビュー(2/2 ページ)

» 2007年04月10日 09時01分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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効果が感じられる新開発プロセッサ

 操作インタフェースは非常にシンプル。電源を入れるとメインメニューとして「ライブラリ」「FMラジオ」「ダイレクト録音」「フォト」「タイマー」「設定」の各項目が現れるので、利用したい任意の項目を選ぶ。転送した楽曲を再生する際には「ライブラリ」を選択すればよい。なお、楽曲の転送にはWindows Media Playerを利用する。

 「ライブラリ」には「アーティスト」「アルバム」「プレイリスト」「ブックマーク」「すべて再生」の各項目が用意されている。非常に一般的なインタフェースなので、利用に際して戸惑うことはないだろう。全般に渡ってキー入力に対する反応は高速なのだが、画像データも含めて800Mバイトほど転送した状態で操作したところ、わずかではあるが、楽曲の一覧表示などを行う際にレスポンスの低下が感じられた。

photophotophoto メインメニュー(左)、ライブラリ画面(中)、再生中画面(右)

 再生中は十字キーの上下で音量調整、左右で早送り/早戻し、中央ボタンで再生/一時停止となる。ただ、音楽を再生しながら画像のブラウジングをすることはできず、再生しながら「フォト」を選択すると音楽は一時停止の状態になる。

photo 付属イヤフォン

 肝心の音質だが、付属イヤフォンを組み合わせて視聴した限りでは解像感に富み、ベースラインの厚みもしっかりと感じさせる。注意して聞き込めばリバーブがかかったような中域のカタマリ感があり、そこが全体のバランスを崩しているようにも思えるが、総じて言えば高域の伸びと低域の重厚感を重視したセッティングがなされている。

 同じくフラッシュメモリを利用する「gigabeat P5」(レビュー)の試用時には高音部分のコモリが気になったが、本製品でははっきりと改善の跡がうかがえる。見る限りではイヤフォンが同様のものが付属しているようなので、これは本製品に搭載された新開発の同社製デジタルオーディオ用プロセッサの効果といえるだろう。

シリーズ製品のイメージを覆す一品

 音質については新プロセッサの効果を十分に感じられ、操作インタフェースもシンプルで好感が持てる。ただ、樹脂を多用した本体の仕上げや、付属ヘッドフォンのクオリティまでも含めて考えると、それほど質感や高音質を強くアピールしているようには思えない。素性はいいだけに、もう少し細部のディテールがアップされていればと感じてしまう。

 とはいえ、HDDを搭載した重厚長大な多機能タイプという印象が強いgigabeatシリーズのイメージとは異なり、本製品はボディサイズもコンパクトで、価格も2GバイトタイプのU201ですら1万6800円とこちらもライト。良い意味でこれまでのシリーズ製品が持つイメージを覆す製品だ。

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