“動画解像度”に関するいくつかの懸念(1/2 ページ)
最近、薄型テレビ関係の記事などで「動画解像度」という言葉をよく目にする。プラズマテレビの新製品ニュースなどで「液晶テレビよりも動画に強い」とアピールするために使われることが多いようだが、そもそも動画解像度とはどのような指標なのか。また、なぜ一部のメーカーしか使用していないのだろうか。
動画解像度を提案したのは、プラズマ関連メーカー5社がPDPの基盤技術を共同開発することを目的に設立した次世代PDP開発センター(apdc)である。主旨は、「テレビの動画表示では、ディスプレイの特性に違いがあるとパネルの画素数と見た目の解像度が必ずしも対応していない。実用的な動画表示性能を“人の見た目に近い尺度”で測定・評価するために提案した」(apdc)。
“人の見た目”という通り、測定方法には、人の網膜上に形成される画像を模擬的に再現する方式を採用した。手順としては、画面上で専用のパターンをスクロールさせ、それを高速度カメラで追従撮影。撮影画像を専用ソフトウェアで解析し、パターンが識別できる限界を求める。スクロールのスピードは、画面の端から端までを5秒間で横切る速さ。これは「ドラマのパンニングや画面内を人が歩くスピードなど、テレビ放送の中で移動する物体の平均的な速度を検討して割り出した」(同)という。
動画解像度は、“TV本”という単位で表す。現在のプラズマテレビなら、パネルがWXGA(720p対応)で700本前後、フルハイビジョンのプラズマなら900TV本前後の数字が出る。上限はそれぞれのパネル解像度のため、かなり立派な数字だ。
では、同じ方法で液晶テレビを評価するとどうなるか。今のところ、液晶テレビだけを製造しているメーカーはapdc方式に賛同していないが、液晶とプラズマの両方を作っているパナソニックや日立製作所は液晶テレビの測定値も公開している。これによると、60Hz/WXGA機で300TV本程度(松下、32LX50の例)。「プラズマテレビなら、通常のHDパネル(WXGA)でも動画解像度720TV本を再生できる。対して液晶テレビは通常300TV本程度とアナログテレビ並み」(日立)というのも頷ける。
ただし、液晶テレビの動画表示は、倍速駆動(120Hz)と中間フレーム生成技術によって大きく進歩している最中だ。120Hz駆動のフルハイビジョン機では倍の600本(同じく32LX75の例)となり、差は随分と小さくなる。また展示会の参考出展レベルながら、180Hzの3倍速パネルも見え始めた。仮に倍速パネルと同等のリニアな進化が期待できるとすれば、現在のハイビジョンプラズマに匹敵する900TV本になる計算。逆説的ながら、将来的に液晶の“進化”をアピールする上で格好の材料になるかもしれない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
ソースネクスト、パスワードなぜ平文で流出 「暗号化していたが、鍵にアクセスできるシステムに侵入された」
-
2
スクエニアカウントに不正ログイン、他社で流出の情報使用か 全アカウントのパスワード強制リセットも視野に
-
3
阪急阪神百貨店などの共通ID、ほぼ全会員分漏えい 約126万件 予約サイトに不正アクセス
-
4
家電量販のJoshin、不正アクセスで一部サービス停止 個人情報漏えい「可能性否定できず」
-
5
ニフティ、54万件超漏えいの可能性 光回線の申し込みシステムに不正アクセス
-
6
日本郵政「ゆうID」不正ログイン、他社で流出したパスワード使うリスト攻撃か……2段階認証必須に
-
7
メドレー、不正アクセスで停止中のサービスを作り直して再開へ 従来システムは再稼働させず
-
8
「ゲオ」「セカスト」運営元に不正アクセス 公式アプリや通販を停止、メンテナンス実施中
-
9
Apple、10月28日にイベント開催へ タッチスクリーン「MacBook Pro」など発表か
-
10
BASE子会社の漏えい、約2335万人分に 209万人分はクレカ番号「先頭6桁と下4桁」「有効期限」も
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR