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れこめんどDVD:「スーパーマン ディレクターズカット版(Blu-ray Disc)」DVDレビュー(1/3 ページ)

» 2007年04月27日 08時56分 公開
[飯塚克味,ITmedia]

 特撮映画史上に輝く名作「スーパーマン」(1978)がBlu-ray Discで発売。マーロン・ブランドやジーン・ハックマンなど豪華キャストをそろえ、公開時世界中で大ヒットした傑作中の傑作だ。ジョン・ウィリアムズによる「スーパーマンのテーマ」を知らない人もいないだろう。

 シリーズ作品の不振で、「スター・ウォーズ」のような形でこそ記憶されてはいないが、この第1作は文句のつけようがない素晴らしさに満ちている。それだけに待望していたAVファンも多いはず。久々の出会いに胸を躍らせながらディスクをチェックした!

「スーパーマン ディレクターズカット版(Blu-ray Disc)」

発売日:2007年4月6日
価格:3980円
発売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
上映時間:151分(本編)
製作年度:1978年
画面サイズ:シネマスコープサイズ・スクイーズ
音声(1):ドルビーデジタル/5.1ch/英語

 昨年夏に公開された「スーパーマン リターンズ」は、「X-MEN」シリーズで知られるブライアン・シンガー監督が、1978年版のリチャード・ドナー監督の手による第1作、第2作の続編として製作された作品だったことはご存知だろうか?

 当時、「オーメン」の大ヒットで一躍ヒットメーカーに踊り出たリチャード・ドナー監督は大作「スーパーマン」の監督に抜擢された。ディテールにこだわり抜くドナー監督は現場の信頼も厚く、当時まだ珍しかった「第1作」と「第2作」の同時撮影も順調にこなしていた。ところが意見の相違から製作者であるサルキンド親子と衝突してしまい、撮影も残り僅かというところで、監督を降板させられてしまう。

 後を引き継いだのは「スーパーマンII 冒険篇」の監督としてクレジットされているリチャード・レスター監督だった。レスターはサルキンド親子と「三銃士」「四銃士」でも組んでいたが、途中参加ということで「スーパーマン」の現場スタッフやキャストにはあまり快く受け入れられなかった。それでも第1作は撮影が済んでいたこともあって、ドナーは監督としてクレジットされているのだが、ドナーの狙いとしていた幾つかの場面はカットされてしまっていた。

 好運なことに、折からのディレクターズ・カットブームの影響で、ワーナーはドナーに再編集を要請。2000年のDVD発売時に、劇場版より8分長いディレクターズカットが世に出ることになったのだ。冒頭のクリプトン星の展開や、少年時代のクラーク・ケントがロイス・レインとニアミスするなどマニア泣かせの場面が追加され、ファンにとっては喜ばしい結果となった。

 日本ではまだ次世代ディスクでの発売が延ばされているが、アウトテイクなども使用して復活した「スーパーマンII リチャード・ドナーCUT版」の出来栄えも素晴らしく、早期の発売を期待したい。なお、現在発売中のDVD「スーパーマン アルティメット コレクターズ・エディション」にはこれらの全てのバージョンが収録されており、スタッフ・キャストの本音が出まくりのメイキングも完全収録。映画史上に残る名作の裏に秘められたゴタゴタまでもが歴史に残る結果となった。結局どのバージョンが良かったのかは是非ご自身の目で判断されたい。

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